4技能資格と大学入試の関係

大学入試改革で英語科目が変わる?

IELTS対策&勉強法

文科省主導の大学入試改革に伴い、その重要性が注目されている英語の4技能資格。今回は4技能資格が脚光を浴びた経緯や将来の展望、大学から生まれた新しい4技能資格について、わかりやすく解説します。

01新センターで「民間の試験を活用」 重要度を増した4技能資格

4技能資格とは、英語のコミュニケーションに欠かせない、スピーキング、ライティング、リスニング、リーディングという4つの技能を試す英語資格のこと
例えば英検は代表的な4技能資格の1つ。2級から試験に作文・面接が追加され、4技能が試されます。その一方で社会人に浸透しているTOEICは、リスニングとリーディングの2技能資格。選択肢問題のみで、英語を喋る問題・書く問題ありません。

この4技能資格が注目されている背景には、文科省主導の大学入試改革の方針が深く関係しています。大学入試改革の答申書では、英語科目においてこのような記述があります。

「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」(引用注:現センター試験に変わる新試験)においては、4技能を総合的に評価できる問題の出題(例えば記述式問題など)や民間の資格・検定試験の活用を行う。また、高等学校における英語教育の目標についても、小学校から高等学校までを通じ達成を目指すべき教育目標を、「英語を使って何ができるようになるか」という観点から、4技能に係る一貫した指標の形で設定するよう、学習指導要領を改訂する。」

出典 - 新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)(中教審第177号)

つまり、2020年から実施される新しい試験では、民間の資格を英語試験の代わりに活用する、ということです。ここでは特に「4技能の資格」と明言しているわけではありませんが、本試験が4技能であることを考慮すると、4技能資格が重視される可能性が非常に高いといえます。

このような方針発表は、大学入試へも既に影響を及ぼしています。例えば、上智大学では英語の4技能資格を持つ学生向けの一般入試枠を新設。一定レベルの英語4技能資格を取得した人が応募でき、試験の英語科目が免除されます。
もしこの流れが続き、英語資格を利用する一般入試枠が定着した場合、4技能資格を取得していれば、センター試験に代わる新試験や各大学の入試試験において、英語科目を免除される可能性も。

これまで英語資格は主に推薦入試やAO入試に使用され、大学入試に必須とは言えませんでしたが、新統一試験や有名大学が英語資格の利用を始めるとなると話は別です。さらに大学での英語コミュニケーション教育を進める国の方針も合わさり、今後4技能資格が存在感を増すことはほぼ確実でしょう

4技能資格を用いた大学入試予想図

024技能資格導入のメリット・デメリット

新しい統一試験と、大学入試における4技能資格活用は、様々なメリットがある一方で、デメリットも予想されます。

メリット

新統一試験対策(現・センター試験)、各大学の入試対策が簡略化できる

統一試験、各大学の入試試験は、それぞれ異なる出題傾向・形式があり、今まではその出題形式に慣れるための勉強が必要でした。しかし4技能資格の活用が広がれば、大学ごとの英語対策を行う必要が薄くなり、他の教科や本命大学の入試に割ける時間が増えることが予想されます。

受験勉強が本格化する前に、英語の対策を行うことができる

例えば青山学院大学の2017年度入試(国際政治経済学部国際政治学科、国際コミュニケーション学科の一般入試B方式)では、資格の取得日を「出願期間末日より2年以内」としています。出願期間が高校3年生の1月末日までだとすると、高校1年の2月以降にとった資格が使用可能です。受験が本格化する2年生の中ごろまでにこつこつと勉強し、資格を取得。英語勉強の負担を減らした上で、受験戦争に挑戦するという選択肢も生じるのです。

デメリット

進路変更で必要な資格・スコアが変わる可能性がある

大学入試に必要な4技能資格・スコアは大学によって異なります。前もって2年生の段階で一定の資格を取得していても、進路変更によりスコアが条件を満たさなくなった・・・という可能性も。必要なスコア・級数は大学のレベルに大きく左右されることが予想されます。

スピーキング・ライティング対策時間の増加

今までは必要なかったスピーキング・ライティングの対策をする時間が必要となります。特にスピーキングは会話の経験やスピーチの経験が必要なため、入念な対策が必要でしょう。

03有名大学が4技能資格を新設 群雄割拠が始まる?

今後新統一試験や大学入試で4技能資格が有利に働くとなれば、次に気になる点は「いったいどの資格が良いのか」という点。現在英語の4技能試験として採用されているものは、英検TOEFLIELTSなど数種類。そして、4技能には対応していないものの、日本において浸透しているTOEICが要件として挙げられることもあります。

PC・視聴

さらに最近では新たな4技能資格を設立する動きも強まっています。嚆矢となったのは通信教育・出版大手のベネッセコーポレーションが作成した4技能資格「GTEC」。中学生・高校生を対象としており、推薦入試やAO入試で使用できる大学も増えつつあります。
一方都内のトップ私立大学上智大学は、英検を運営している日本英語検定教会と組み、新たな4技能資格「TEAP」を新設。こちらは大学入試で利用されることを目的としており、上智では全学部の一般入試において資格枠を設けています。

これらの4技能資格の勢力図は大学入試改革の進行具合によっても変更があることが予想されるため、現時点ではどの資格の採用率が高くなるのかを予想するのは困難です。しかし、英会話業界の中には、4技能資格に特化したスクールがすでに登場しています

044技能資格の対策に動く英会話業界

例えばオンライン英会話の「ベストティーチャー」はライティングとスピーキングを同時に鍛えることができるユニークなスクール。その独特なレッスンスタイルを武器にしていましたが、2014年から英検やTOEFL、IELTS、GTECなどの4技能資格を対策するコースを新設。英会話教室よりも安価な料金で、学生が苦手とするライティングとスピーキングに同時に取り組むことができる点が大きな魅力でしょう。

また、同じくオンライン英会話大手の「レアジョブ」は高校生コースを設立。これから学校でも4技能が求められる中、スピーキングレッスンが毎日可能なプランを月1万円以下で提供しています

それぞれに試験で傾向と対策は異なりますが、4技能全ての力をバランスよく磨いておけば、いざと言う時にどの資格試験にも対応できるはず。高校生向けのスピーキングレッスンに力を入れているレアジョブや、資格対策を通じて4技能を身に付ける事ができるベストティーチャーは、費用も抑えつつ、4技能の能力をアップさせる事ができるおすすめのオンライン英会話教室です。

今後ますます重要度を増すことが予想される英語の4技能資格。これからの動向を見守りましょう。