英語を話すとき、だれもが憧れるネイティブ発音。「正しい文法のはずなのに伝わらない」「もっと自然に、格好よく英語を話したい」など、発音の悩みはつきものです。
では、海外生活や留学をしないと、ネイティブのような英語は話せないのでしょうか?
答えは「NO」です。日本で生活をしていても、勉強法次第で発音を大きく向上させることができます。もちろん、ネイティブのよる個人レッスンではなく、自宅で、自分ひとりで取り組むことができる方法です。
今回は今話題の英語本『60歳からはじめられる ゆっくりていねい英会話』の著者である、杉本正宣氏の発音法をチェックしてみましょう。
杉本氏が提唱する英語の発音法は「ゆっくり音読」すること。しかし、ただゆっくり音読するだけでは効果はありません。おおげさなくらいに高低差をつけて、ゆっくり音読してください。
英語は日本語と異なり、文章に大きな高低差が存在する言語です。例えば、「おめでとう」という意味の「Congratulation!(コングラチネイション)」をきちんと発音すると、「コン」と「ネイ」の部分を、高く強く発音することがわかるでしょう。一方日本語の「おめでとう」は、全ての音を均等に発音します。
このように、ネイティブの英語はイントネーションとアクセントが重要です。
高低差をつけること、高い部分を極端にのばすことに意識してゆっくり音読していると、知らず知らずのうちに英語の自然なリズムが身に付き、ネイティブのような流暢な発音になります。

また、高低差の高い部分以外は、ほとんど口を動かさずに発音するのもコツです。ネイティブの英語を聞いていると、「it」や「and」など、文章の中で重要でない単語は、聞き取れないぐらいすばやく、簡単に発音されます。強調する部分は口を大きく開き、それ以外はあまり動かさないというメリハリが、美しい英語のリズムを作ります。
以上の「ゆっくり音読」に加え、さらにネイティブのように話すコツをいくつかご紹介しましょう。
ネイティブのように話すコツ
LとRの区別は日本人が苦労する代表的な発音です。日本人にとっては全て「ラ行」の音ですが、ネイティブにとっては全く別の発音。LかRかで単語の意味も異なり、日本人が話す英語が伝わらない大きな一因でもあります。
では、LとRをネイティブのように発音するコツはなんでしょうか?それは、Rで始まる単語には、頭に小さいゥを付けることです。
例えば「light(光)」が「ライト」と発音するなら、「right(右)」は、「ゥライト」と発音します。詳しく説明すると、口の中で、舌の動きに違いがあるのですが、Rの前にゥをつけるだけで、ネイティブらしい発音になります。
また、日本人はRを巻き舌で発音するように学校で教えられていますが、実は過剰な巻き舌は逆効果。巻き舌はほどほどに、喉を使って発音するようにしましょう。
ネイティブのように話すコツ
単語をひとつひとつ区切ってきちんと読まずに、続けて読むのもネイティブのように話すコツです。といっても、読もうとする英語の文章の単語は区切られていますので、これはたくさん音読して、どのような場合は続けて読むのか、口を慣らすしかありません。
例えばネイティブが話す英語では、「need you」は「ニージュー」のように聞こえます。逆に言うと、「ニードゥ ユー」と二つの単語を区切って発音すると、ネイティブには伝わりません。
ネイティブのように話すコツ
最後のコツは、恥ずかしがらずに大きな声で喋ることです。英語は、日本語と違って抑揚があり、アクセントも非常にはっきりしています。アクセントやイントネーションを意識し、大きな声で話してみましょう。
高低差をつけてゆっくり音読しながら、Rの前には小さいゥをつけ、単語をひとつひとつ区切らず、大きな声で話す。これが、あこがれのネイティブ発音を身につけるコツです。
発音の練習は、ちょっとした空き時間にできるもの。家事やお風呂の時間を利用して少しずつ発音を練習してみてはいかがでしょうか。