50代から英語学習に本気で取り組んだきっかけ
筆者は50代になってから、本腰を入れて英語学習に取り組みました。当初は特に目標もなく、軽い気持ちで英語学習をスタートしたのですが、学習を進めるうちに英語の魅力にはまっていったのです。
若いころから、洋画や洋楽が好きだったため、英語の発音やリズムのカッコよさは感じていましたが、改めて英語を勉強してみると、日本語とは違う英語ならではの言葉の言い回しや表現に魅了される部分がありました。
例えば、
Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country.
「アメリカがあなたに何をしてくれるかを問うのではなく、あなた方自身が、アメリカのために何ができるかを問うてほしい」
―― ジョン・F・ケネディ(アメリカ大統領)
Don’t judge each day by the harvest you reap ,but by the seeds you plant.
「その日1日の成果は、収穫の量ではなくて、蒔いた種の量で計りなさい」
―― ことわざ
Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.
「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ」
―― マハトマ・ガンジー(インド宗教家・政治指導者)
これらの名言は、日本語でも十分に気持ちを揺さぶるものですが、英語にするとさらにその魅力が増します。そして、これらの英語が持つ魅力的な言い回しを文法が支えていることを知り、もっとたくさんの文章表現を知りたくなったのです。
筆者はこうしたきっかけで50代になってから英語学習をスタートしたのですが、本気で取り組めば、50代からでも英語を身につけることは十分に可能です。ちなみに、筆者は50代で英検準1級を取得しました。
そこで本特集では「50代からの英語学習」と題し、筆者の経験も踏まえ、50代におすすめの勉強法をご紹介します。
50代から英語の勉強にチャレンジしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
50歳時点での英語レベルと学習目標
50歳時点での英語レベル
筆者の50歳時点での英語レベルは、英検2級程度でした。
英語学習に本腰を入れて取り組み始めたのは50歳になってからですが、実は、40代後半からNHKのラジオを聴くなどして、細々と英語の勉強をしていました。
NHKのラジオ講座は、英語4技能(※リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)のレベルアップに役立つのはもちろん、英語圏の生活やビジネス、文化、歴史の勉強にもなるのです。
たくさんある英語番組のなかから面白そうなものをピックアップし、約3年間、NHKのラジオ講座で勉強。そして50歳を目前に控え、力試しに英検2級を受験し、合格しました。
設定した学習目標
英検2級に合格し、自信がついたことがきっかけとなり、本腰を入れて英語学習に取り組みたいと思うようになりました。目標は英検準1級に合格すること。
そのため、英検2級合格後からは、NHKのラジオ講座を中心とした学習から、英検準1級の受験対策に集中した勉強方法にシフト。特に、英語4技能のなかでも、リスニングとスピーキング、ライティングのレベルを上げることに重点を置いて取り組みました。
また、このなかでも特に苦手なリスニングの強化が最重要と考え、シャドーイングやディクテーション、リプロダクションを徹底的に学習。リスニングに関しては、初めて耳にした英語ニュースのおおよその意味が理解できることを目標に、勉強に取り組みました。
Memo:
シャドーイング、ディクテーション、リプロダクションとは?
シャドーイング、ディクテーション、リプロダクションはいずれもリスニング力を強化するトレーニング。それぞれ、以下のように取り組みます。
- ▽シャドーイング
- …聞いている英語音声のすぐ後を追って、その音声を再現する
- ▽ディクテーション
- …英語の音声を聞き、そのまま文字に起こす
- ▽リプロダクション
- …英語の音声を1文聞いたところで音声を止め、聞いた音声(英文)を口述で再現する
50代からの英語学習 英検準1級を取得した筆者が実践したおすすめの勉強方法
本チャプターでは筆者の経験も踏まえ、50代におすすめの英語の勉強法をご紹介します。
勉強法① NHKラジオを活用する
50代から英語学習に取り組む場合、ぜひ上手く活用したいのが、NHKのラジオ講座。リスニングを中心に、リーディングやライティング、単語、文法が学べます。
NHKのラジオでは英語レベルや学習目的別に、さまざまな講座を開講。そのため、自分のレベルや学習目的に合った講座で学習に取り組むことが可能です。
また1回10分~15分と短く、忙しい人でも続けやすいように作られているのも嬉しいポイント。放送時間に聞けない場合でも、専用のアプリから、時間を問わずに学習できます。
テキストは別売となっていますが、いずれの講座も無料で聞けるため、コストパフォーマンスが良いのも魅力でしょう。
ちなみに筆者は、「中高生の基礎英語 in English」「ラジオビジネス英語」「ニュースで学ぶ『現代英語』」を中心に聞いていました。
なお、講座を聞くのに慣れてきたら、講座の内容を活用し、シャドーイングやディクテーション、リプロダクションに取り組むのもおすすめ。こうしたトレーニングに取り組むことで、よりリスニングが強化され、英語をスムーズに聞き取れるようになります。
勉強法② 参考書を活用する
アナログな方法になりますが、自分の英語レベルや学習目的に合った参考書を使って勉強するのもおすすめです。
ちなみに筆者の場合、50代になってからは英検準1級の試験対策に注力していたため、「英検順1級 でる順パス単」や「英検順1級予想問題ドリル」などの参考書を使って勉強していました。
参考書は情報量も多く、一冊をやり込むことで、しっかりと英語を身につけられます。また、必要に応じて自由に情報を書き込める点、自分のペースで学習を進められる点も魅力でしょう。
単語であれば単語に特化したもの、文法であれば文法に特化したもの・・・といった形で、学びたい英語スキルに応じて、複数の参考書を組み合わせる必要はありますが、参考書を使っての勉強は、まずは気軽に英語を復習したい50代の方におすすめです。
勉強法③ 英語が学べる動画サイトを活用する
英語が学べる動画サイトを活用し、英語の勉強に取り組むのもおすすめの方法です。
動画の場合、テレビや映画、YouTubeを見る感覚で英語を学ぶことが可能。ちょっとしたスキマ時間を利用して、英語の勉強に取り組めます。また、スマホ一つで簡単に勉強できるのも嬉しいポイントです。
なお、筆者がおすすめする英語が学べる動画サイトは「DigitalCast(デジタルキャスト)」。英語字幕と日本語字幕の同時表示が可能となっており、両方の字幕を見ながら英語を聞くだけでもリスニング力を鍛えられます。また、シャドーイングやディクテーションなどのトレーニングができるほか、単語の辞書機能なども充実しています。
ちなみに、「DigitalCast」内には、さまざまな動画コンテンツがありますが、おすすめはTEDのプレゼンテーション動画が見れる、「TED日本語(TED Talks)」。世界で活躍するさまざまな分野のトップランナーが英語でプレゼンテーションをしており、内容も面白いものが多いです。
英語への興味・関心を高め、モチベーションを維持しながら英語学習に取り組みたい50代の方は、ぜひチェックしてみてください。
50代から英語学習にチャレンジする際のポイント
英語学習をスタートした時点では、気合いを入れすぎて無理な目標や計画を立ててしまいがちですが、50代からの英語学習は楽しく取り組めることが大切です。
本チャプターでは、50代から英語学習にチャレンジする際に押さえておきたいポイントをご紹介します。
ポイント① ちょっとした学習の成果を実感しながら英語の勉強に取り組む
50代からの英語学習を継続するコツは、学んだ成果を実感しつつ、英語学習を楽しむことです。
例えば、「覚えたての単語を英語のニュースで聞き取れた」「英字新聞の見出しが目に留まり、意味を理解できた」「文章に使われている文法を見抜けた」といったことが挙げられます。
筆者の場合は、英検2級の二次試験(面接)でネイティブの面接官と会話が成立したことがとても嬉しかったです。このように、ちょっとした学習の成果を感じながら、英語を勉強することが、50代から英語学習にチャレンジする際、押さえておきたいポイントです。
ポイント② 英語資格の取得を目標にする
50代から英語学習に取り組む場合、TOEICや英検といった英語資格の取得を目標に勉強するのもおすすめです。
ちなみに、TOEICはビジネス英語の能力を、英検は学校教育や学問的な英語能力を測ることに適しています。それぞれの資格では試験の傾向が異なるため、勉強法も変わってきますが、資格の取得を目指すことで、目標を決めて英語の学習に取り組めるのはもちろん、資格試験を通して、現時点での自分の英語の実力も知れます。
また、資格を取得しておくことで、後々その資格をセカンドライフに活かせる・・・といった可能性があるのも嬉しいポイントといえるでしょう。
- あわせてチェック
- 英検準1級の勉強法 - 合格者がおすすめの方法を解説
まとめ
50代から英語学習にチャレンジするのは遅すぎるのでは?と躊躇する方も多いでしょう。確かに50代になると、若いころに比べて、勉強に大事な記憶力や集中力、体力の衰えを実感します。ですが、そのような理由から英語の勉強をあきらめてしまうのは、とてももったいないことです。
英語学習において重要なのは、好奇心を持つこと。そして、好奇心を持つことに年齢は関係ありません。
例えば、「海外旅行で現地の人々と英語で会話をしてみたい」、「英語の音楽や映画・ドラマの言葉を聞き取れるようになりたい」「あのスーパースターの考えを英語で理解したい」、「昔読んだ大好きな小説を、原文で読んでみたい」・・・こういった好奇心があれば、年齢に関係なく、50代からでも楽しく英語を学べるでしょう。
50代になり、今日まで人生の半分以上を過ごしてきたとはいえ、まだまだ知らないことや経験していないことはたくさんあるはずです。50代から英語学習にチャレンジしたいと考えている方は、本特集を参考に英語の勉強に取り組み、英語をきっかけに知識や教養の幅を広げて人生を楽しみましょう。