近年、高い精度での翻訳を瞬時に行える音声翻訳機が登場し、注目を集めています。
海外旅行を予定している方や、仕事・ボランティア等で外国人の方とコミュニケーションを取ることが多い方のなかには、音声翻訳機の利用を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
その一方で、最近では多数の音声翻訳機が登場しており、どの音声翻訳機を選ぶと良いのかわからない方も多いはず。
そこで今回の本気の英会話では音声翻訳機に注目し、数ある音声翻訳機のなかから自分に合ったものを選ぶ際のポイントをわかりやすく解説。さらに、人気の高いおすすめの音声翻訳機を比較し、ランキング形式でご紹介します。
音声翻訳機の利用を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
音声翻訳機の選び方 5つのポイント
はじめに、音声翻訳機を選ぶ際のポイントについて見ていきましょう。
数ある音声翻訳機のなかから自分に合ったものを見つける際は、以下の5つのポイントに注目するのがおすすめです。
- 翻訳精度・ネット環境
- 翻訳機能
- 持ちやすさ・操作のしやすさ
- 価格
- 英語学習に使える機能
以下では、それぞれのポイントについて、詳しくご紹介します。
音声翻訳機の選び方 ポイント その1 翻訳精度・ネット環境
音声翻訳機を選ぶ際、まず注目したいのが翻訳精度です。翻訳精度は、その音声翻訳機が使用する翻訳エンジンによって変わってきます。
ちなみに翻訳エンジンには、「音声翻訳機本体に内蔵されているタイプ」と「クラウド上にあるタイプ」の2種類があり、それぞれの特徴は以下の通りです。
翻訳エンジンの特徴
音声翻訳機本体に内蔵されているタイプ | クラウド上にあるタイプ | |
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メリット |
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デメリット |
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上記の表からもわかるように、翻訳エンジンが「音声翻訳機本体に内蔵されているタイプ」は、オフラインでの翻訳が可能。一方、翻訳エンジンが「クラウド上にあるタイプ」は、オンライン上で翻訳を行うため、インターネットに接続する必要があります。(※音声翻訳機をインターネットに接続する際にSIMを利用する場合は、音声翻訳機本体とは別途にSIMが必要)
また、音声翻訳機のなかには、オンラインでの利用をメインとしながらも、一部の言語に関してはオフラインでの翻訳に対応しているものも。
音声翻訳機を選ぶ際は、翻訳に利用する翻訳エンジンに加え、音声翻訳機が利用できるネット環境についても確認しておきましょう。
音声翻訳機の選び方 ポイント その2 翻訳機能
翻訳機能も音声翻訳機を選ぶ際にチェックしておきたいポイントの一つです。その音声翻訳機が、「一方向(日本語→外国語)」の翻訳に対応しているのか、「双方向(日本語→外国語/外国語→日本語)」の翻訳に対応しているのか、事前に確認しておきましょう。
ちなみに、一方向の翻訳のみに対応している音声翻訳機の場合、こちらが話す日本語は翻訳されますが、相手が話す外国語は日本語に翻訳されないため注意が必要です。外国人の方と頻繁に会話のやり取りを行う場合は、双方向の翻訳に対応した音声翻訳機を選ぶと安心でしょう。
音声翻訳機によっては、「外国語→外国語」の双方向翻訳に対応しているものもあるため、日本語以外の言語を起点に音声翻訳機を利用したい場合は、「外国語→外国語」の双方向翻訳に対応しているかどうかも確認しておくのがおすすめです。
また、最近では、カメラを搭載し、カメラで読み取った文字を翻訳してくれる「カメラ翻訳」に対応した音声翻訳機も登場しています。音声だけではなく、文字情報の翻訳も行いたい場合は、「カメラ翻訳」に対応した音声翻訳機を選びましょう。
音声翻訳機の選び方 ポイント その3 持ちやすさ・操作のしやすさ
音声翻訳機は持ち歩いて利用することが多いため、「軽量」「コンパクト」といった「持ちやすさ」も重要なポイント。また、操作が簡単で、いざというときにすぐに使えるかどうかも重要です。
音声翻訳機を選ぶ際は、持ち運びのしやすさや、操作性といった使いやすさについてもチェックしておきましょう。
また、頻繁に音声翻訳機を使用する場合は、バッテリーの持ち(連続使用時間)についても確認しておくと安心です。
音声翻訳機の選び方 ポイント その4 価格
価格も音声翻訳機を選ぶ際にチェックしておきたいポイントの一つです。音声翻訳機の相場は、2万円台~3万円台が一般的。
インターネットに接続し、オンラインで利用できる音声翻訳機と、翻訳エンジンが音声翻訳機本体に内蔵されており、オフラインでのみ利用できる音声翻訳機とを比較すると、オフラインで利用できる音声翻訳機の方がやや安い価格となっています。
ちなみに、オンラインで利用できる音声翻訳機の場合、インターネットの接続にSIMカードを利用すると、音声翻訳機本体とは別途にSIMカードの料金が発生します。インターネットへの接続にSIMカードを利用する場合は、SIMカードの料金も考慮しましょう。
音声翻訳機の選び方 ポイント その5 英語学習に使える機能
数ある音声翻訳機のなかには、英語学習に役立つ機能を搭載しているものがあります。音声翻訳機を英語学習にフルに活用したいと考えている場合、英語学習に役立つ機能が利用できる翻訳機を選ぶのがおすすめです。
また、「よく使うフレーズがあり、すぐ確認できるようにしたい」「過去の翻訳履歴を確認したい」といった場合は、お気に入り登録機能や再生履歴の表示機能の有無についても確認しておきましょう。
【2020年】人気の音声翻訳機ランキング
本チャプターでは、人気の高いおすすめの音声翻訳機を比較し、ランキングでご紹介します。
各音声翻訳機の機能や特徴についても紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
ポケトークS 公式サイトへ行く
価格(税込) ※2020年2月現在 |
32,780円 ※グローバル通信2年付き |
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サイズ/重量/カラー |
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対応言語数 |
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翻訳機能/翻訳エンジン |
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ネット環境 |
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連続翻訳時間 | 約270分 |
その他機能 |
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シェアNo.1!高い精度を誇る音声翻訳機
ポケトークSは、PCソフトの開発・販売を手掛ける「ソースネクスト」が販売する音声翻訳機。2020年1月時点において、「ポケトーク」シリーズは26か月連続で音声翻訳機販売本数シェア第1位を獲得しており、数ある音声翻訳機の中でも高い人気を誇っている。
ポケトークSの特徴は、翻訳エンジンにAIを搭載し、高い翻訳精度を実現している点。ちょっとした会話はもちろん、長文やくだけた表現の翻訳にも対応し、高い精度での翻訳ができる点は、他の音声翻訳機と比較してもポケトークSの大きな魅力といえるだろう。
また、ディスプレイに表示される言語をタップし、その言語で話すだけという簡単操作で翻訳を行うことが可能。搭載されているカメラで文字を撮影すると、その文字を翻訳してくれる「カメラ」翻訳に対応している点もチェックしておきたい。
さらに、AIを活用した英会話練習機能「AI英会話レッスン機能」や、ロゼッタストーンの発音練習アプリ「POCKETALK Link」の無料利用といった英語学習に役立つ機能も充実。
74言語(※音声翻訳の場合。カメラ翻訳は55言語に対応)の双方向翻訳に対応し、高い利便性を誇るポケトークSは、音声翻訳機の利用を検討する際、有力な選択肢の一つといえるだろう。
Memo
料金重視で選びたい人におすすめのポケトーク
上記でご紹介している「ポケトークS」は、2019年12月に発売した「ポケトーク」シリーズの最新モデル。実は、この「ポケトークS」の発売に伴い、一つ前のモデルにあたる「ポケトークW(※グローバル通信2年付き)」が、「32,868円(税込)→21,780円(税込)」に値下げしています。
ちなみに、「ポケトークW」も「ポケトークS」と同様、74言語の音声翻訳(※双方向翻訳)に対応。さらに、翻訳エンジンにはAIを搭載し、高い翻訳精度を実現しています。
ポケトークWにはカメラが付いていないため、カメラ翻訳が非対応となっている点や、AI英会話レッスン機能等、ポケトークSにある一部機能がない点には注意が必要ですが、21,780円(税込)でポケトークが使えるのは大きな魅力。
料金を重視して音声翻訳機を選びたい人や、リーズナブルな料金でポケトークを利用したいと考えている人は、併せてチェックしておくのがおすすめです。
ポケトークWを詳しくチェックする
arrows hello(アローズハロー) 公式サイトへ行く
価格(税込) ※2020年2月現在 |
オープン価格 ※参考価格:24,351円(Amazon) |
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サイズ/重量/カラー |
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対応言語数 |
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翻訳機能/翻訳エンジン |
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ネット環境 |
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連続翻訳時間 |
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その他機能 | カメラ翻訳機能 |
オンライン&オフラインでの翻訳に対応
arrows hello(アローズハロー)は、日本の総合エレクトロニクスメーカー「富士通」が販売する音声翻訳機。携帯電話の製造で培った通信技術と小型端末のノウハウを元に開発され、スマホやタブレットのブランドとしてしられる「arrows(アローズ)」シリーズ初の音声翻訳機として人気を集めている。
arrows helloは、28言語の双方向翻訳に対応(※音声翻訳。カメラ翻訳は21言語に対応)。うち、日本語、英語、中国語(簡体字)の3言語はオフラインでの翻訳にも対応している。一部の言語に限られるが、Wi-Fiの繋がらない場所や、電波の悪い場所などオフラインの環境でも翻訳機能が利用できる点はarrows helloの大きな魅力といえるだろう。
加えて、搭載されているカメラで文字を撮影するだけで翻訳が行える「カメラ翻訳」にも対応。
中国の大手ポータルサイトを運営する「ユー・ダウ(youdao)」が開発した翻訳エンジンを搭載し、高い翻訳精度を実現している点もチェックしておきたい。
また、インターネットへはWi-Fiを利用しての接続にのみ対応しており、別途SIMカードを購入する必要がない点も嬉しい。
arrows helloは、オンラインとオフラインの両方で利用したい人におすすめの音声翻訳機。
KAZUNA eTalk5(カズナ イートーク5) 公式サイトへ行く
価格(税込) ※2020年2月現在 |
32,868円 |
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サイズ/重量/カラー |
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対応言語数 |
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翻訳機能/翻訳エンジン |
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ネット環境 |
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連続翻訳時間 | 約6時間 ※テザリングで使用した場合 |
その他機能 |
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Wi-Fiテザリングやお気に入り登録など、便利な機能が充実
KAZUNA eTalk5(カズナ イートーク5)は、電子機器や通信機器の開発・販売を手掛ける「TAKUMI JAPAN」の音声翻訳機。
2020年2月現在、最大112言語の音声翻訳(※双方向翻訳)に対応しており、うち7言語はオフラインでの翻訳にも対応。さらに、最大55言語はカメラでの翻訳にも対応している。
また、Wi-Fiテザリング機能を搭載しており、SIMカードを利用すれば、スマホやタブレット、PCなど最大6台までインターネットに接続可能。さらに、多くの国の高速通信回線「LTE(4G)」に対応し、スムーズな翻訳を実現している点も大きな魅力といえるだろう。
その他にも、よく使う翻訳結果を保存できる「お気に入り機能」や、ある言語から別の言語に翻訳したあと、翻訳された言語を再び元の言語に翻訳し直すことで、正しく翻訳されているかを確認できる「確認翻訳」、しゃべった内容が相手のKAZUNA eTalk5に音声で届き、翻訳結果を文字・音声で伝える「チャット翻訳」、翻訳履歴を対話形式でCSV出力し、パソコンに取り込んでテキスト化できる「エクスポート機能」など、英語学習に役立てられる機能が充実。
KAZUNA eTalk5は、ちょっとしたコミュニケーションはもちろん、英語学習にも音声翻訳機を活用したいと考えている人におすすめ。
Perico(ぺリコ) 公式サイトへ行く
価格(税込) ※2020年2月現在 |
29,480円 |
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サイズ/重量/カラー |
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対応言語数 | 38言語 |
翻訳機能/翻訳エンジン |
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ネット環境 |
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連続翻訳時間 | 7~8時間 |
その他機能 |
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簡単な操作で利用できる音声翻訳機。Wi-Fiルーターとして使うことも可能
Perico(ぺリコ)は、電子部品の開発・設計等を行う「ユニオン電子工業」が販売する音声翻訳機。英語、中国語、韓国語、フランス語など、38言語の音声翻訳(※双方向翻訳)に対応している。
Pericoの特徴は、簡単な操作で利用できる点。Pericoは、ボタンを押して日本語を話すだけで、選択した言語に翻訳可能。ストレスなく利用できる点は、嬉しいポイントといえるだろう。
また、翻訳した内容は保存され、翻訳履歴から確認可能。よく使う表現などをすぐに確認でき、英語学習や、ビジネスの場に役立てることができる。
さらに、SIMカードを利用すれば、テザリングでスマホやタブレット、PCをインターネットに接続できる点も魅力。
カメラ翻訳に対応していない点、オフラインでの翻訳に対応していない点には注意が必要だが、シンプルな操作・機能で利用できる音声翻訳機を使いたい人であれば、Pericoはぜひチェックしておきたい。
イリー(ili) ※販売終了
価格(税込) ※2020年2月現在 |
21,780円 |
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サイズ/重量/カラー |
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対応言語数 | 3言語:英語、中国語、韓国語 ※入力言語は日本語のみ |
翻訳機能/翻訳エンジン |
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ネット環境 |
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連続翻訳時間 | 2時間 |
その他機能 | 旅行に特化した翻訳辞書 |
旅行会話に特化した音声翻訳機。約42gの軽量ボディも魅力
イリー(ili)は、日本のベンチャー企業「ログバー」が開発・販売する旅行会話に特化した音声翻訳機。日本語から英語・中国語・韓国語の3言語への一方向翻訳に対応している。
イリーの特徴は、インターネットへの接続不要で使用できる点。Wi-Fiスポットや通信環境を気にすることなく必要な場面ですぐに使える点は、他の音声翻訳機と比較しても嬉しいポイントといえるだろう。
また、本体のボタンを押した状態で日本語を話し、話し終えたらボタンから指を外すだけの簡単操作で利用できる点も魅力。最速0.2秒と速い翻訳スピードを実現していることに加え、高性能な翻訳エンジンが搭載されている点もチェックしておきたい。さらに、本体重量が42gと軽量で、持ち運びに便利な点も特徴の一つ。
日本語から英語・中国語・韓国語への一方向翻訳にのみ対応している点、本体にディスプレイがなく、翻訳結果を音声で確認しなければならない点には注意が必要だが、イリーは旅行会話に特化した音声翻訳機を利用したい人、シンプルな操作・デザインの音声翻訳機を利用したい人に特におすすめの音声翻訳機といえるだろう。
Column
音声翻訳機を使った英語学習
海外旅行時や、外国人の方とスムーズにコミュニケーションを取る際に役立つ音声翻訳機ですが、使い方によっては、英語学習に役立てることも可能です。音声翻訳機を検討している方のなかには、音声翻訳機を英語学習に活用したいと考えている方も多いはず。
ここでは、音声翻訳機を使った英語学習法についてご紹介します。
英作文のトレーニング
「日本語→英語」への翻訳機能を利用し、自分の作った英作文が正しいかを確認する。また、「英語→日本語」への翻訳機能を利用して、自分の話す英語がきちんと伝わる内容になっているかを確認することも可能。
単語の確認
意味のわからない単語があった場合、音声や文字情報(※カメラ翻訳に対応している音声翻訳機の場合)から簡単に意味や発音を確認することができる。
発音・シャドーイングの練習
音声翻訳機によっては、話した内容がディスプレイに表示される。この機能を利用し、自分の話した英語が正しく表示されるかを確認することで、発音の練習に役立てることが可能。
また、「日本語→英語」への翻訳機能を利用し、英文の音声を復唱することで、シャドーイングの練習に役立てることもできる。
会話表現を身につける
「翻訳履歴」や「お気に入り登録」の機能を利用し、会話でよく使う表現をストック。そのフレーズを覚えることで、会話表現の幅を広げることができる。
ただし、音声翻訳機によっては、「翻訳履歴」や「お気に入り登録」の機能がないものもあるため、音声翻訳機を選ぶ際に、機能の有無を確認しておきたい。
Pickup!
ポケトークをレンタルで使う
TripFever(トリップフィーバー)
レンタル料金例(税込) |
オプション
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レンタル端末 ※2020年2月現在 |
ポケトーク W |
TripFever(トリップフィーバー)は、海外Wi-Fiレンタル事業を中心に、訪日外国人向けのWi-Fiレンタルサービスや法人向けの携帯レンタルサービスを手掛ける「ビジョン」のポケトークレンタルサービス。
TripFeverでは、最短2日(税込2,178円~)からポケトークのレンタルが可能。また、レンタルするポケトークは、空港カウンターまたは国内宅配にて受取・返却することができる。さらに、レンタル4日前までであれば、キャンセル料は無料。
2020年2月現在、レンタルに対応しているポケトークの端末は「ポケトークW」。74言語の双方向翻訳に対応しているほか、翻訳にはクラウド上の最新翻訳エンジンを使用し、高い翻訳制度を実現している。さらに、グローバルSIMが内蔵されているため、Wi-Fiへの接続不要で利用可能。
ポケトークをリーズナブルな料金でレンタルできるTripFeverは、海外旅行で音声翻訳機を使いたいと考えている人や、試しにポケトークを使ってみたい人であれば、ぜひチェックしておきたい。
【2020年】人気の音声翻訳機ランキング~まとめ~
音声翻訳機があれば、海外旅行や仕事・ボランティアの際、外国人の方とスムーズにコミュニケーションを取ることができます。また、使い方によっては、英語学習に利用することも可能です。
さまざまな場面で使うことができる点は、音声翻訳機の大きなメリットといえるでしょう。
その一方で、近年多くの音声翻訳機が登場しており、ものによって利用できる機能に差があるため、音声翻訳機を選ぶ際は使用目的や使用状況等を確認し、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
海外旅行や仕事・ボランティア、英語学習等で音声翻訳機の利用を検討している方は、本特集を参考に音声翻訳機の選び方や、人気の音声翻訳機をチェックし、自分に合った一台を見つけてみてはいかがでしょうか。