英語力の必要性が叫ばれる昨今。「英語ができる」といえば、一般的に「英語で会話ができる」を指すことが多いですが、実は、リーディングの重要性も無視できません。リーディングをおざなりにすると、英語力の土台となる基礎知識が身につかず、「あのひとの話す英語はよくよく聞くと文法が破綻している・・・」なんていうことも。
そこで本記事では、英語のリーディング力を伸ばせるおすすめの勉強法やサービスをご紹介します。英語学習の基本に立ち返ってリーディングの重要性を見直し、しっかりとした英語力を身につけましょう。
英語のリーディング力を伸ばすメリット
リーディングの学習にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
この章では、英語学習においてリーディング力を伸ばすメリットを3つご紹介します。
英語のリーディング力を伸ばすメリット その1: 英語力の基礎を作れる
後述する「精読」というリーディングの勉強法では英語の構造をしっかりと学ぶため、そこで得られた知識は英語力の土台となります。
精読によって身につく語彙力や文法の知識は、スピーキング、ライティング、リスニングのいずれにも欠かせないもの。とくに、リーディングというインプット型の学習をしなければ、アウトプット型のスピーキングやライティングは効果を発揮しきれません。
つまりリーディングの学習は、英語学習の「基礎練」。スポーツと同様、土台となる基礎力があれば、その後の英語力の習熟スピードに大きな差が出ます。
英語のリーディング力を伸ばすメリット その2: 使用シーンが多くさまざまな場面で役立つ
リーディングは、スピーキング、リスニング、ライティングの4技能のなかでも日常での使用頻度が高い実用的な英語スキルです。
たとえば、仕事で英語の文書やメールを読まなければならない場面があるかもしれません。また、海外出張や海外旅行で現地のホテルを自分で手配するときも、リーディングが苦手だと時間がかかるでしょう。近年では普段の生活のなかでも、日本語対応がない海外製のアプリや製品が増えています。
英語を読めないと機械翻訳にかけたり、英語ができる知り合いを頼ったりしなければならず、歯がゆい思いをすることも。
使用シーンが多く、さまざまな場面で役立つ点も、英語のリーディングを伸ばすメリットといえるでしょう。
英語のリーディング力を伸ばすメリット その3: 情報の幅が広がる
世界には日本語でアクセスできない情報が膨大にあります。ただ、日本語でほしい情報が見つからない場合でも、英語で検索すれば詳しく説明されているページに辿り着けることも。とくに、海外で起きていることは、日本語で調べるよりも英語で調べた方が詳しく紹介されています。
リーディングを学び、英語を難なく読めるようになれば、これまで以上に、仕事や趣味、医療、経済、生活のことなど、多くの有用な情報に気軽にアクセスできるでしょう。
情報リテラシーが人生の質を大きく左右するこの時代。英語のリーディングスキルは心強い味方になるはずです。
英語のリーディング力を伸ばす!おすすめの勉強法
英語のリーディングスキルを身につけるために必要な学習方法は主に3つ。「多読」と「精読」、そして「語彙力強化」です。
この章では、これらの3つの学習について、筆者が実際にやってよかったおすすめの勉強法をご紹介します。
英語のリーディング力を伸ばす!おすすめの勉強法①: 多読
「多読」とは、わからない単語は飛ばしながら「とにかくたくさん英文を読む」勉強法です。
教材は書籍でもオンラインニュースでも、どのようなコンテンツでも構いません。単語を調べなくても大体の内容を理解できるレベルのものを選びましょう。
おすすめは、「ピアソンリーダーズ(旧ペンギンリーダーズ)」の洋書シリーズ。ペンギンブックスというイギリスの出版社が発行している英語学習者向けの洋書シリーズで、大学の授業などでも取り入れられています。初級から上級までレベル分けされていて、さまざまジャンルがあるため、飽きずに取り組めます。
たとえば、このピアソンリーダーズを使い、「ピアソンリーダーズの本を1か月に〇冊読む」といった形で目標を決め、たくさん洋書を読むのもおすすめ。「英語を読む」という意識から「英語で読む」という感覚に変わり、一語一語を訳さなくても英文のまま理解できるようになるため、しっかりとリーディング力を伸ばせます。
英語のリーディング力を伸ばす!おすすめの勉強法②: 精読
「多読」と対になるリーディングの学習方法が「精読」です。多読は「とにかくたくさん読む」ことを目的としていますが、精読は「一文一文とじっくり向き合い、文の構造と文法を完璧に理解する」ことを目指します。
精読を行う際は、辞書(英日、英英)と文法書、参考書などの教材、ノートを用意しましょう。
なお、精読の場合、多くの文章にあたる必要はないので、教材を決めたら下記の手順で理解を深めていくのがおすすめです。
- 単語を調べる
- 英文を文型に分解する
- 日本語訳を作成する
その際、特におすすめしたいのが、「S(主語)」「V(述語動詞)」「O(目的語)」「C(補語)」の組み合わせから成る、英語の5文型(SV、SVC、SVO、SVOO、SVOC)のおさらい。高校で学んで以来、そのままになっている方も多いかもしれませんが、実は英文読解において、この5文型を理解していることはとても重要です。
筆者は大人になってからこの5文型を学習しなおし、英文を逐一、文型に分解する訓練をしたところ、英文をスムーズに理解できるようになりました。
英語にじっくりと向き合う精読は、英語力の土台を作る大変重要な学習です。良質な例文にあたり、文法書を繰り返し参照して、英語への理解を深めましょう。
英語のリーディング力を伸ばす!おすすめの勉強法③: 語彙力強化
語彙力強化には、市販の単語帳やアプリを使うのも方法ですが、英語学習で学んだ単語をノートにメモして、自作の単語帳を作る勉強法がおすすめ。
単語をどれだけ覚えられるかは、その単語にどれだけ強いイメージをつけられるかが重要なので、自作の単語帳におもしろいと思った情報をどんどん書き込み、記憶に定着させやすくするのが有効です。
筆者は実際に、メモ帳や小さめのノートの左から4分の1くらいのところに縦線を引き、英日辞書や英英辞書を参照して、線の左側には単語と発音記号を、右側には品詞と単語の意味、その他の補足情報を書き込んでいました。その際、辞書に載っているおもしろい例文を積極的に書き込んだり、図や絵を描いたりすると、より印象に残りやすくなります。
また、辞書に載っている接頭辞(単語の前方につく文字)や接尾辞(単語の後方につく文字)などの語源もノートに書いておくと、語源の知識が身につき、語彙力アップに効果があります。
語源の例
immediate
im(否定)+medi(中間)+ate(形容詞語尾)=中間がない→即座の
↑語源を覚えると、知らない単語でもある程度意味を推測できるようになります!
リーディング力アップにおすすめの英語学習サービス&参考書
ここでは、リーディングスキルの向上に効果があるおすすめの英語学習サービスと参考書をご紹介します。自分に合ったものを上手に活用し、リーディングスキルを効率よく伸ばしましょう。
★ Check!
利用する英語学習サービスや参考書を選ぶ際のポイント
以下では、「多読」「精読」「語彙力強化」のリーディング力を伸ばすおすすめの勉強法に活用できるサービス・参考書を選びました。
筆者が実際に使用したものを中心に、しっかりと効果のあるものだけを厳選して紹介していますので、「多読」「精読」「語彙力強化」の3つの学習法でリーディング力を伸ばしたい方は、ぜひチェックしてみてください。
リーディング力アップにおすすめの英語学習サービス
おすすめの英語学習サービス①
SmartNews(スマートニュース) 公式サイトへ行く
料金例(税込) | 無料 |
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無料体験 | ― |
SmartNews(スマートニュース)は、さまざまなWebメディアの最新記事が集まっているスマートフォン用のニュースアプリ。
記事は、政治・経済から恋愛、エンタメまで、多様なカテゴリーに分類されている。英語のメディアも複数あり、イギリスの「BBC」や、アメリカのWebメディア「BuzzFeed」、共同通信社の英語版ニュースメディア「Kyodo News Plus」などを無料で閲覧可能。表示させるカテゴリーはカスタマイズできるので、気に入った英語のメディアを設定しておけば、アプリ起動後すぐに読むことができる。
すき間時間を活用して英語の多読を行い、リーディング力を伸ばしたい人におすすめ。
おすすめの英語学習サービス②
サン・フレア アカデミー 「はじめての翻訳文法」 公式サイトへ行く
料金例(税込) |
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無料体験 |
なし ※無料の翻訳力チェックテストあり(任意) ※サンプル動画あり(通信科) |
国内トップクラスの翻訳会社が運営する翻訳学校「サン・フレア アカデミー」で開講している翻訳初級者向けの講座。
主に翻訳者を目指す人向けの講座だが、英文法の理解が土台となる翻訳において必要な知識を網羅した内容になっており、翻訳者を目指していない場合でも、英文法の基礎をしっかりと学べる。なお、新宿にある教室への通学に加え、オンラインでの受講にも対応。
本講座以外にも、興味深い英語講座が多数用意されているので、気になる講座に参加してみるのも良いだろう。
リーディング力アップにおすすめの参考書
おすすめの参考書①
英単語の語源図鑑 Amazonへ行く
著者 | 清水 健二、すずき ひろし |
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出版社 | かんき出版 |
英単語集という体裁を取りつつも、イラストや解説図とともに英単語の語源を詳述した一冊。
本書で特徴的なのは、親しみやすいイラストがたくさん載っていること。イラストがことばのイメージにつながるため、イラストを多用することで、英単語を記憶に定着させやすくなっている。
また、同じ語源を用いた複数の英単語を連続的に紹介しているので、例示が多く理解を深めやすいのもポイント。
「100の語源で10000語が身につく!」がキャッチフレーズとなっており、語源を理解することで効率的に単語を覚えられ、知らない単語でも意味を推測できるようになるので、英語の語彙力をつけたい人は要チェック!
おすすめの参考書②
英文法解説 Amazonへ行く
著者 | 江川 泰一郎 |
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出版社 | 金子書房 |
英語教師や大学教授など、語学のプロフェッショナルが口をそろえて絶賛する文法書の最高峰。初版の発行年は1953年と古いながらも、色あせないロングセラーとして現在も高く評価されている。
本書では、良質な例文が豊富に紹介されていることに加え、英語話者にとってのニュアンスなど、学校では教わらないことも丁寧にわかりやすく解説。
全体的にややハイレベルな内容のため、基礎から文法を勉強したい英語初心者よりも、もう一段深く文法の知識を身につけたい中上級者に特におすすめ。
まとめ
本特集では、英語のリーディング力を身につけるメリットと、リーディング力アップに効果的な勉強法、そして、おすすめの学習サービス・参考書をご紹介しました。
記事内でも解説したように、英語のリーディング力アップには「多読」「精読」「語彙力強化」の3つの勉強法がキーとなります。なお、いずれの学習もおざなりにせず、バランスよく並行して取り組むことで、より高い学習効果が期待できます。
リーディングは英語の「基礎力」です。リーディング力を伸ばしたい人は、本特集を参考におすすめの勉強法をチェックし、今後の英語学習に役立てましょう。