近年、VRを活用した英会話学習が人気を集めています。
ちなみに、「VR」とは、「Virtual Reality(バーチャルリアリティ):仮想現実」のこと。VR技術を活用すれば、実際にその場にいるような感覚で英会話の練習を行うことが可能です。
スピーキング力を中心に英語力を伸ばしたいと思っている英語学習者のなかには、VRを使った英語学習が気になっている方も多いはず。
そこで今回の特集では、VRを使った英語学習に注目し、VRで英語を学ぶメリットを解説。さらに、VRで英会話が学べるおすすめの英語学習サービスをわかりやすく比較していきます。
VRを使って英語を学ぶ3つのメリット
はじめに、VRを使って英語を学ぶ3つのメリットを見ていきましょう。
VRを使って英語を学ぶメリット その1臨場感のある空間で英会話の練習ができる
VRを使って英語を学ぶ最大のメリットは、実際にその場にいるような感覚で、英会話の練習ができる点。
VRを活用した英語学習サービスの多くは、VRゴーグルを装着し、英会話の練習を行います。VRゴーグルを装着すると、そこには360度、仮想現実の世界が広がっており、英語での会議やプレゼン会場、海外の旅先など、実際にその場にいるような感覚で、英会話の練習を行うことが可能です。
より現実の世界に近く、臨場感のある空間で英会話の練習ができるのは、VRを使って英語の勉強に取り組む際、まずチェックしておきたいメリットです。
VRを使って英語を学ぶメリット その2自分の都合に合わせて英会話の勉強ができる
VRを使っての英語学習は、VRソフトやアプリを使用するケースがほとんど。実際の人を相手に英会話の練習をするわけではないため、毎週決まった時間にレッスンを受ける必要がありません。つまり、早朝や深夜の時間帯であっても、自分の都合に合わせて英会話の練習を行うことが可能です。
また、1回の練習時間も、「忙しい日は短め、時間の取れる日は長く」といった形で、自分の都合に合わせて、自由に設定できます。
特に、仕事が忙しい人や、毎週あるいは毎日決まった時間に勉強時間を確保するのが難しい人、自分のペースで英語学習を進めたい人の場合、自分の都合に合わせて英会話の練習ができる点も、VRを使って英語を学ぶメリットといえるでしょう。
VRを使って英語を学ぶメリット その3失敗を気にせず、英会話の練習ができる
VRを活用した英語学習サービスでは、多くの場合、実際の人ではなく、AIやプログラムを相手に英会話の練習を行います。
そのため、「自分の英語に自信がない」「変な英語を話してしまいそう…」「会話に詰まってしまう」等を気にせず、英会話の練習に取り組むことが可能です。
特に、英語初心者や、英語を話すことに苦手意識を持っている人のなかには、英語でコミュニケーションを取ることや、外国人を相手に会話をすることにハードルを感じている人も少なくありません。
実際の人ではなくAIやプログラムを相手に、失敗を気にすることなく英会話の練習ができる点も、VRを活用して英語を学ぶメリットの一つです。
ちなみにVRの場合、英会話の練習相手(AIやプログラム)は等身大の人として表示されるケースが多いです。そのため、相手の目を見て話したり、ジェスチャーをしてみたりと、より実際の人を相手にする感覚で、英会話の練習ができます。
この点も、VRを使って英語を学習する際に押さえておきたいポイントです。
Column
VRを使った英語学習、何が必要?
それでは実際にVRを使って英語学習に取り組む際、何を準備しておくと良いのでしょうか?
ここでは、VRを使って英語を勉強する際に必要なものを、簡単にご紹介します。
VRを使った英語学習には、以下のものが必要です。
- VRゴーグル
- インターネット環境
- VRに対応した英語学習ソフト・アプリ
VRゴーグルに関しては、利用するサービスによって異なり、「オキュラスクエスト(メタクエスト)」「オキュラスクエスト2(メタクエスト2)」といったVR端末(コントローラー含む)を使用するものや、組み立て式のVRゴーグルを使用するものなど、サービスによって異なります。
VRを使って英語学習の取り組む際は、利用するサービスがどういったタイプのVRゴーグルを使用するのかを、事前に確認しておくのがおすすめです。
VRで英会話を学ぶ!おすすめの英語学習サービスを比較
本チャプターでは、VRを使って英会話が学べるおすすめの英語学習サービスをわかりやすく比較していきます。各サービスの特徴をチェックし、自分に合ったサービスを見つけましょう。
VRで学べる!おすすめの英語学習サービス その1
スマート・チューター 公式サイトへ行く
料金例(税込) |
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英語学習サービスの種類 | VRソフトウェア |
使用するVRゴーグル | VR端末 ※オキュラスクエスト(メタクエスト)、オキュラスクエスト2(メタクエスト2) |
学べる英語 | ビジネス英語(初級、中級) |
無料体験 | 10日間 ※VR端末の無料レンタルあり |
おすすめポイント |
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VRで学べる英語学習サービスの特徴
スマート・チューターは、VRやAIを活用した教育コンテンツの企画・開発・販売を手掛ける「株式会社プラスワン」提供の英語学習サービス。プログラム満足度は94%と、利用者からの高い評価を獲得している。
スマート・チューターの特徴は、最新のVRとAIのテクノロジーを使い、英会話の練習ができる点。トレーニングにはVR端末(VRゴーグル)を使用し、オフィスやプレゼン会場など、実際にその場にいるような感覚で、AIを相手に英会話の練習ができる。
またAIが、受講生に合った学習カリキュラムを作成してくれるほか、学習効果や弱点をリアルタイムで数値化。効率よくスピーキング力を鍛えられる点もチェックしておきたい。
料金は利用できるサービス・機能に応じて3種類あり、月額19,800円(税込)から受講可能。さらに、6か月分、12か月分をまとめて契約すると、1か月あたりの料金が割引になるプランも提供している。
ちなみに、トレーニングに使用するVR端末(※オキュラスクエスト2)は無料でレンタルできるため、受講料金のみでサービスの利用が可能。VR端末のレンタルを含め、10日間の無料体験も提供している。
英語初級者(TOEIC®400~600点レベル)および中級者(TOEIC®600~800点レベル)のみを対象としている点には注意が必要だが、VRを使い英会話の練習をしたい人であれば、スマート・チューターはまずチェックしておきたい。
VRで学べる!おすすめの英語学習サービス その2
Mondly VR(モンドリ― VR) 公式サイトへ行く
料金例(税込) |
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英語学習サービスの種類 | VRソフトウェア |
使用するVRゴーグル |
VR端末 ※オキュラスクエスト(メタクエスト)、オキュラスクエスト2(メタクエスト2)、オキュラスクエストプロ(メタクエストプロ) |
学べる英語 | 日常英会話、トラベル英会話 |
無料体験 | — |
おすすめポイント |
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VRで学べる英語学習サービスの特徴
Mondly VR(モンドリ― VR)は、ルーマニアに本社を構え、「Mondly」「Mondly Kids」「Mondly AR」といった語学学習プラットフォームを提供する「Mondly」のVRに対応した英語学習サービス。ちなみに、Modlyが提供するサービスの累計利用者数は1億人を突破している。
Mondly VRでは、オキュラスクエスト(メタクエスト)やオキュラスクエスト2(メタクエスト2)等のVR端末を使用。ソフトには、音声認識機能が搭載され、この機能とチャットをボットを使い、英会話の練習を行う。
ソフトの購入は、Meta QuestストアまたはSTEAMストアから。料金は、Meta Questストアが1,490円(税込)、STEAMストアの場合は1,010円(税込)。VR端末を購入する必要はあるが、ソフト自体は1,000円台とリーズナブルな料金を実現しているのは、他のVRを活用した英語学習サービスと比較しても、嬉しいポイントといえるだろう。
またMondly VRは、英語以外にも、中国語や韓国語、フランス語、スペイン語、ドイツ語など、30か国の言語学習にも対応している。
学べる英語が、日常英会話やトラベル英会話が中心となっている点には注意が必要だが、Mondly VRは、海外旅行に備えて英会話の練習をしたい人や、すでにVR端末を持っており、VRを使って英語の勉強をしたい人におすすめ。
VRで学べる!おすすめの英語学習サービス その3
売り場のやさしい英会話VR(英検公式) 公式サイトへ行く
料金例(税込) | 14,040円 |
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英語学習サービスの種類 | アプリ(※iOS版) |
使用するVRゴーグル | 組み立て式VRゴーグル |
学べる英語 | 接客英会話 |
無料体験 | — ※一部のコンテンツは無料で利用可 |
おすすめポイント |
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VRで学べる英語学習サービスの特徴
「売り場のやさしい英会話VR(英検公式)」は、公益財団法人 日本英語検定協会が売り場の接客担当者向けに開発したVR対応の英語学習サービス。
売り場のやさしい英会話VR(英検公式)では、付属の組み立て式VRゴーグルを使用。実際に売り場で、外国人のお客様に接客をしているような感覚で、英会話の練習ができる。
また、アプリを一度スマートフォンにダウンロードすれば、VRゴーグルなしでも学習が可能。ちょっとしたスキマ時間を利用して、気軽に学習できる点もチェックしておきたい。
トレーニングは、キーセンテンスを発話する「応答体験(キーセンテンス学習)」、ネイティブ音声の後に発話し、発音の正確さをチェックする「トレーニング(音声認識)」、選択したシーンでのお客様とのやり取りを実践する「実践体験(ロールプレイ)」の3つの機能で構成。さらに、アプリには、売り場でよく使われる63のキーセンテンスが掲載されており、1つのキーセンテンスは約10~15分で学習できる。
料金は、14,040円(税込)、学習期間3か月間の通信教材となっており、教材には、VRアプリ(※ダウンロード)、組み立て式VRゴーグル、テキスト2冊・CD2枚、復習テスト3回分、VR活用ガイド等が含まれる。
対象レベルがTOEIC®420点以下の初級者に限定されるが、仕事で外国人を相手に接客を行うことが多い人は要チェック!
まとめ
VRを活用すれば、よりリアルに近い感覚で、英会話の練習に取り組めます。特にスピーキング力を鍛えたい人にとっては、有力な学習ツールといえるでしょう。
その一方で、VRを活用した英語学習では、VRゴーグルを使用するケースが多く、人によっては、「VR酔いをしてしまう」「VR端末が重く、頭部や首に負担がかかる」等の理由から、思うように学習に取り組めない…といった可能性も考えられます。
VRを使った英語学習に取り組む際は、無料体験などを上手く活用し、まずは実際にVRゴーグルを装着し、可能な範囲でVRゴーグルのフィット感や使用感を確認するのがおすすめです。
VRを使った英語学習が気になる方はもちろん、スピーキング力を効率よく鍛えたいと考えている方は、本特集も参考に自分に合ったサービスを見つけ、英会話の練習に取り組んでみてはいかがでしょうか。