原題 Legally Blonde
邦題『キューティ・ブロンド』
解説
原題『Legally Blonde』とは、2001年にアメリカで公開されたコメディ映画『キューティ・ブロンド』のこと。第59回ゴールデングローブ賞において、作品賞と女優賞にノミネートされたほか、ミュージカル化もされており、ミュージカル版はトニー賞7部門へのノミネートや、イギリス版トニー賞とも言われる「ローレンス・オリヴィエ賞」を受賞するなど、高い評価を獲得しています。日本でも2017年に東宝版ミュージカルが神田沙也加主演で上演される等、映画公開から15年以上経った現在でも根強い人気を誇る作品です。
本作の主人公であるブロンド髪の女の子・エルは、ピンク色のブランドファッションに身を固め、おしゃれが大好きな大学生。成績優秀で人気者、恋も順調だったはずのエルですが、大学卒業後に議員を目指す恋人・ワーナーに振られてしまいます。エルはワーナーを取り戻そうと、彼と同じハーバード大学のロー・スクール(法科大学院)に行くことを決意し、猛勉強の末に合格。
そんな超一流の法律学校に入学した、派手好きで明るいブロンドガールのエルが、周囲の偏見にもめげず、一人前の立派な弁護士になるため、ポジティブに突き進んでいく物語です。
原題『Legally Blonde』の「legally」は、「合法的に、法律的に」という意味の副詞。「blonde」は「金髪の」、または「金髪の女性」を表わします。(※最後の「e」がない「blond」は本来男性に使われることが多く「金髪の男性」を意味していましたが、現在は男女の区別なく「blond」を用います。)
これを踏まえると、原題「Legally Blonde」は、和訳すると「法律的に金髪の女性」。これは、「legally blind(法律上の失明)」という法律用語のもじりとなっており、法律の勉強をするエルのことを表しています。
ちなみに、欧米社会では「brunette(ブルネット・こげ茶の髪をした女性)」が賢いとされるのに対し、「blonde(金髪の女性)」はセクシーだが頭が良くないというイメージがあり、「ブロンド・ジョーク」と呼ばれるジョークも存在します。本作は、この「ブロンド・ジョーク」を逆手にとり、ブロンドのエルが差別的な批判にもめげず、痛快に切り抜ける作品となっているため、この点にも注目すると良いでしょう。
一方邦題は、おしゃれも楽しみながら、持ち前の明るさでポジティブかつキュートに困難に立ち向かっていくエルを表した「キューティ・ブロンド」というタイトルに。
本作は、魅力的なブロンド・ガールが活躍する、痛快なサクセスストーリー。周囲の偏見にもめげず、自分の好きなおしゃれを思いっきり楽しみながらも、ひたむきに頑張るエルの姿に元気がもらえる作品です。
原題と邦題の違いにも注目し、楽しんでみてはいかがでしょうか?
Study
- legally:(副詞)合法的に、法律的に
- legally blind:法律上の失明…アメリカの法律で定義された基準以下の弱視のこと
- blonde:(名詞)金髪の女性、(形容詞)ブロンドの、金髪の ◆blondの女性形
→《類義語》brunette:こげ茶色(ダークブラウン)の髪の女性 ◆brunetの女性形
作品を見る
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- 英語字幕非対応