英語学習者のなかには、「ネイティブレベルの英語を話したい」「考え込まずにスラスラ英語を話せるようになりたい」といった思いを抱いている方も多いのではないでしょうか?
英語をスムーズに話すためには、「英語脳」と呼ばれる独自の回路を脳内に形成する必要があります。
「脳内に独自の回路を作る」と聞くと、やや難しく感じるかもしれません。ですが適切なトレーニングを継続して行えば大人になってからでも英語脳を作ることは可能です。
今回は、「英語脳の作り方」に注目し、大人が英語脳を作るうえでおすすめトレーニングを5つご紹介します。英語力アップに向けて英語脳を作りたいと考えている方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
英語脳とは?
そもそも「英語脳」とは、見たり聞いたりした英語を、日本語に訳さず英語のまま理解できるスキルのことです。
実は、日本人が日本語で話すときと、アメリカ人が英語で話すときとでは、脳の活動領域が異なることが科学的に証明されています。
つまり、日本語を話すときと英語を話すときとでは脳内の回路を切り替える必要があるということ。そのため、英語をスムーズに話すには、アメリカ人が英語で話すときに使う脳の回路、すなわち「英語脳」が必要になるのです。
ただ、大人になってから母語ではない言語(第二言語)を学習する場合、この回路が形成されていません。ですが適切なトレーニングを行えば、時間はややかかるものの、大人になってからでも英語脳を手に入れることは可能です。
大人が英語脳を作る3つのメリット
大人になってから英語脳を作るメリットはあるのか気になる方もいるでしょう。本チャプターでは、大人が英語脳を作る3つのメリットについて、わかりやすくご紹介します。
大人が英語脳を作るメリット① 長文やスピードが速い英語でも聞き取れるようになる
英語脳を作ると、耳にした英語をその都度日本語に変換することなく、英語のまま理解できるため、長文の英語やスピードの速い英語でも聞き取れるようになります。
英語脳を持っていなくとも、「Have you watched this movie?」という短い文章であれば、難なく聞き取ることができるでしょう。
ですが、英文が長文になったりスピードが速くなったりすればするほど、どんどん理解が追いつかなくなります。その理由は、英語を聞くたびに、その内容を日本語に変換することで時間がかかるからです。
その点、英語脳を作ればわざわざ日本語に変換して英語を理解する必要がなくなり、英語を理解するスピードがアップします。そのため、会話やリスニングについていけるようになるのです。
大人が英語脳を作るメリット② 英語での会話がスムーズになる
英語の聞き取りスピードがアップすると、レスポンスも自然と速くできるようになります。
さらに、英語脳が作られると、英語を理解するスピードがアップするだけでなく、自分で話す英語をわざわざ日本語から英語に変換する必要もありません。「最初に頭の中で話したい内容を日本語で思い浮かべ、それから使える英単語を探し、文法に則って英文を構築する」といった必要がなくなるのです。
その結果、レスポンス、発話ともに時間がかからなくなり、英語での会話がスムーズになります。
大人が英語脳を作るメリット③ リーディングのスピードがアップする
英語脳は、話す際にのみ使える脳内回路ではありません。英文を読むうえでも有効です。
例えば、「I went to the supermarket to buy meat for dinner.」という英文。英語脳が作られていない場合、日本人は「返り読み」と呼ばれる読み方をします。この「返り読み」とは、英語を日本語の順に直しながら、英文を行ったり来たりして読むことです。
上記の英文の場合、「I」(私は)「for dinner」(夕食のための)「meat」(肉を)「to buy」(買うために)「to the supermarket」(スーパーマーケットへ)「went」(行った)という読み順になります。
簡単な文章であれば問題ありませんが、難解な文章になればなるほど、「返り読み」では英文を読むのに時間がかかり、その分、疲れてしまいます。
ですが、英語脳が作られていれば英文を読む際に返り読みをする必要がありません。日本語に変換することなく情景を頭に浮かべられるので、リーディングのスピードが大幅にアップします。
【大人向け】英語脳の作り方 おすすめのトレーニング5選
ここからは、大人が英語脳を作るためにおすすめのトレーニング5つを厳選してご紹介します。
おすすめのトレーニング① スラッシュ・リーディング
大人が英語脳を作るためにおすすめのトレーニング法の1つ目は、「スラッシュ・リーディング」です。
スラッシュ・リーディングとは、その名の通り英文をスラッシュ(/)で区切って読んでいくトレーニングのこと。前から順番に英文を読んでいく方法なので、返り読みや日本語へ訳しながら英文を読む必要がありません。
その結果、英語を英語のまま読めるようになります。
なお、スラッシュ・リーディングのやり方はいたって簡単。
まずは、自分の英語レベルよりも少し上の英文を用意します。(※自分の英語レベルより少し上の英文を用意するのは、簡単に理解できてしまう英文だと、すぐに内容を理解できてしまうからです)
次に、前置詞・接続詞・コンマの前などをスラッシュで区切ります。そして、スラッシュで区切ったかたまりごとに意味を捉えながら、前から順に英文を読み進めます。
この読み方に慣れてきたらスラッシュを入れる範囲を広げたり、より難易度の高い英文にチャレンジしたりするのがおすすめです。
おすすめのトレーニング② 多読
次におすすめのトレーニングは、英文を大量に読む「多読」です。
多読により英語の語順に慣れることで、日本語への変換不要で英文を読む習慣が徐々に身につきます。
多読のトレーニングをする際は、まず、全体の80%程度を理解できる英文をいくつも用意しましよう。そして、ひたすら前から英文を読んでいきます。その際、返り読みをせずに英文を読んでいくことが大切です。
また、わからない単語が出てきても、辞書をひかないのがポイント。そうすることで前後の文脈から単語の意味を推測し、すべての英単語の意味がわからなくても文脈を理解できる力をつけられます。
さらに多読をする際は、自分の興味が湧かない英文を読まないこともポイントです。多読は、とにかく量を多く読むことが重要なため、自分の興味・関心がない内容の英文では、理解に時間がかかり、その時間が苦痛に。結果的に、多読が続かない・・・といったことになりかねません。
多読を行う際は、自分がおもしろいと感じられ、レベル的にも自分に合った英文をたくさん読みましょう。
おすすめのトレーニング③ 多聴
大人が英語脳を作るうえでおすすめのトレーニングの3つ目は、多くの英語音源を聴く「多聴」です。
言語習得には、とにかく多くの言葉を「聴く」ことが重要です。そもそも私たちが日本語を話せるようになったのは、赤ちゃんのときから、周りの人々が話す日本語での会話やテレビから流れてくる日本語の話し声を聴いていたからです。
このことからも、言語習得の土台を作るために、多聴は重要なトレーニングといえるでしょう。
なお多聴のトレーニングを行う際は、多読と同じように、内容の80%程度を理解できる英語音源をたくさん聴きます。
まずは音源を止めずに最後まで聴き、その後、理解できない部分のみを聴き返しましょう。
次に、音源の英文を読み、内容を理解します。理解できない部分があった場合は、内容を理解した上でもう一度音源を聴きます。
ちなみに多聴には動画を使用しても構いません。YouTubeや海外ドラマなどの動画を上手く活用し、楽しみながら学習すると続けやすいでしょう。
おすすめのトレーニング④ シャドーイング
シャドーイングも大人の英語脳作りにおすすめのトレーニングのひとつです。シャドーイングとは、英語音声を聞き、数秒後から聞こえてきた英文を追って発音するトレーニングのこと。
シャドーイングを継続すると、単語と文法の知識が無意識に吸収されるため、英語脳が鍛えられます。
シャドーイングを行う際は、自分のレベルに合った音源つきの英文を用意しましよう。そして、まずは音源だけを聞き、1~2語遅れて聞こえてきた英語を発音します。わからない箇所があれば英文で確認し、もう一度発音しましょう。
シャドーイングは、リスニングとスピーキングの両方を鍛えられるトレーニング方法です。
他のトレーニング方法と比べて負荷が大きいため、まずは1日10分程度からスタートし、トレーニングを継続するのがコツです。
おすすめのトレーニング⑤ 英会話
最後におすすめしたい大人が英語脳を作るためのトレーニングは、英会話です。
言語は、実際に使わないと鍛えられません。最近では、英会話教室に通う、英会話カフェに行く、オンライン英会話を受けるなどさまざまな方法で英会話の練習が行えます。
実際に外国人を相手に英会話を行えば、英語を話すことに慣れるのはもちろん、英語の瞬発力を鍛えることが可能。スムーズに英会話を行うためには、相手の話す英語を英語のまま理解し、自分の意見を英語で考えて瞬時に発話する必要があるため、英会話の練習を通して、英語脳を作れます。
また、会話の相手がネイティブの場合、英会話の練習を通してネイティブの表現を学べる点も魅力です。
英会話教室や英会話カフェ、オンライン英会話などで英会話の練習をする際は、料金やレッスン形式(マンツーマン/グループ)、レッスンの受けやすさなどを考慮し、自分に合ったサービスを利用しましょう。
Pickup!
大人の英語脳作りにおすすめのサービス
レシピー 公式サイトへ行く
レシピーは、株式会社ポリグロッツが提供する英語学習アプリ。
レシピ―では、AIが学習者一人一人に最適化した学習カリキュラムを生成。自分に必要な英語を効率よく学習できる。
また、1日10分から学習に取り組めるほか、アプリ1つで「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」「単語」「文法」の英語6技能をすべて学べる点も嬉しいポイントといえるだろう。
2024年10月には「シャドーイング機能」もリリースされ、動画コンテンツのセリフや単語学習の例文などを使ってシャドーイングの練習が可能。
英語学習アプリを活用して英語脳を作りたい場合、ぜひチェックしておきたい。
EF English Live 公式サイトへ行く
EF English Liveは、世界中で利用されているオンライン英会話。GoogleやAmazonなど有名企業での導入実績も持つ。
EF English Liveでは、在籍する3,000人以上の講師全員が、英語を専門的に教えるための資格を保持。質の高いレッスンを提供している。
また、ビジネス英語やTOEIC対策など、学習目的に合ったコースを選択できるのも嬉しい。
料金は、月4回のマンツーマンレッスンと月最大30回のグループレッスンが受けられて月額8,900円(税込)。オンライン英会話を利用して英語脳を作りたい場合、EF English Liveは有力な選択肢の一つといえるだろう。
まとめ
今回は大人の英語学習者向けに、英語脳を作るメリットや英語脳を作る際におすすめのトレーニングなどを紹介しました。
英語脳があれば、スムーズに英会話を行えます。特に、仕事で英語を使う方や、英語を使ってスムーズにコミュニケーションを取りたい方であれば、英語脳は、ぜひ身につけておきたいスキルといえるでしょう。
今回の記事でご紹介した「スラッシュ・リーディング」や「シャドーイング」など5つのトレーニング方法を継続して行えば、大人になってからでも英語脳を手に入れることは可能です。
「英語脳の作り方を知りたい」「英語脳を手に入れたい」と考えている方は本記事を参考に、英語脳を作る際におすすめのトレーニングに取り組んでみてはいかがでしょうか。