スピーキングは、英語を使ってコミュニケーションを取る上で重要なスキルの一つ。英語学習者の多くが、スピーキングをしっかりと身につけ、英語でスムーズにコミュニケーションを取れるようになりたいと思っているのではないでしょうか。
スピーキングの上達には、実際に英語を話す練習が不可欠です。ただ、特に独学の場合、どのような形でスピーキングの練習や勉強に取り組むのが効果的なのかわからないもの。
そこで今回は、英語のスピーキングに注目し、自分のペースでスピーキング力を伸ばしたい人向けに、おすすめの練習や勉強法について、わかりやすく解説していきます。
英語のスピーキングを上達させたい人は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
英語のスピーキングを上達させる練習&勉強法のコツ
英語を身につけるには、大きく、「インプット」と「アウトプット」それぞれの学習が必要です。
スピーキングの勉強は、このうちの「アウトプット」の学習に該当しますが、実は、英語のスピーキングを上達させるためには、アウトプットの学習だけではなく、アウトプットの土台を作るためのインプットを行う必要があります。その理由は、インプットが不十分な場合、いくら伝えたいことがあっても、その内容を英語で正確に伝えられないからです。
「アウトプット(=スピーキング)の土台を作るためのインプット」とは、「英文法」「単語(語彙)」「発音のルール」の3つ。
効率よく英語のスピーキングを身につけるのであれば、英文法の基礎や、基本的な単語、発音のルールをしっかりと頭に入れたうえで、実際に口を動かし、スピーキングの練習を行うのがおすすめです。
英語のスピーキング力を上達させる練習&勉強法
インプット編
- 基礎的な英文法を身につける
- 基本的な語彙を覚える(→語彙力を増やす)
- 発音のルールを把握する
アウトプット編
- 発話の練習
- スピーキングの練習
溝口麻衣
スピーキングの上達には、インプットとアウトプット両方の学習を行うことが大切です。特に初心者の場合は、スピーキング力を伸ばしたいからといって、いきなり会話の練習を始めるのではなく、まずは英文法や単語、発音の基礎をしっかりと押さえておきましょう。
また上記でご紹介したスピーキングの練習や勉強には、以下の流れで取り組むのがおすすめです。
次のチャプターからは、「英文法」「単語」「発音」「発話練習」「スピーキング練習」の5つの点から、スピーキングを上達させるためのポイントについて、わかりやすく解説します。
英語のスピーキングを上達させる!おすすめの練習&勉強法 インプット編
まずは、スピーキングの土台となる英語力を身につける方法から見ていきましょう。
英文法の基礎を身につける
自分の伝えたいことを正確に相手に伝え、英語でコミュニケーションを取っていくためには、英文法の基礎をしっかりと身につけておくことが大切です。ちなみに、英文法の基礎とは、中学校で学習するレベルの内容になります。
特に英語初心者の場合はまず、中学校レベルの英文法をマスターすることから始めましょう。
英語学習にブランクがある場合も、中学校レベルの英文法を一通り確認した上でスピーキングの練習に取り組むと、その後の勉強をよりスムーズに進められます。
その上で、よりレベルの高い表現を使えるようになりたい場合や、より複雑な内容を伝えられるようになりたい場合は、高校レベルの英文法を勉強するのがおすすめです。
英文法の勉強におすすめの書籍
英語のハノン 初級 Amazonへ行く
著者 | 横山雅彦、中村佐知子 |
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出版社 | 筑摩書房 |
ピアノの教則本「ハノン」の名にちなんだ、学校で習う英文法をスピーキングで使える英語にするための「英語の教則本」。
本書には、643のパターン・プラクティスを掲載。基礎的な英文法を学び直すとともに、パターン・プラクティスを通して、英文法をスピーキングで使える英語にするためのトレーニングも行える。
英文法の基礎を勉強する際、まずチェックしておきたい一冊。
語彙力を増やす
英文法とあわせて基礎的な単語を頭に入れておくことも、スピーキングの土台を作る上で重要です。特に初心者の場合は、英文法と同様、中学校レベルの単語を頭に入れることからスタートしましょう。
ちなみに、語彙は多ければ多いほど、スピーキングにおいて、話せる内容や表現の幅が広がります。
中学校レベルの単語が頭に入っているからと満足してしまうのではなく、単語の勉強はアウトプットの勉強と並行して継続的に行い、語彙力を鍛え続けることが大切です。
語彙力アップにおすすめの書籍
「キクタン」シリーズ Amazonへ行く
著者 | アルク文教編集部 ほか ※書籍によって異なる |
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出版社 | アルク |
ロングセラー&シリーズ累計500万部を突破した単語集。音声を聞きながら単語を覚えることにフォーカスした単語集となっており、各「キクタン」には音声DLが付属している。
「【Entry】2000語レベル」「【Basic】4000語レベル」「【Advanced】6000語レベル」など、レベル別に多数の種類が出ており、自分に合ったレベルのもので単語の勉強に取り組める。
発音の基礎を身につける
英語の発音には、音声変化(※)やリズムなどのルールがあります。スピーキングの土台を作る上では、こうした発音の基礎を身につけておくことも重要です。発音の基礎が身についていれば正しい発音ができるため、その分、相手に伝わりやすい英語を話すことができます。
- 英語の音声変化…ネイティブがナチュラルスピードで英語を話したときに起こる発音の変化のこと。
また、発音の勉強は、リスニング力の強化にも役立ちます。英語でのコミュニケーションを成立させる上では、自分が正しく英語を話せることも大切ですが、相手が話す英語をしっかりと聞き取れることも重要です。
そうした点からも、スピーキングを上達させるためには、英文法や単語に加え、発音の基礎もしっかりと身につけておきましょう。
発音の練習におすすめのアプリ
スピークバディ 公式サイトへ行く
料金(税込) |
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無料体験 | 7日間 |
AIを相手にスピーキングの練習ができる英会話アプリ。2021年度にはグッドデザイン賞を受賞しているほか、累計300万ダウンロードを突破し、数ある英語学習アプリのなかでも高い人気を集めている。
スピークバディの特徴は、AIを相手にスピーキングの練習ができる点。また、アプリには高精度の音声認識機能が搭載されており、自分の発音を細かくチェックすることができる。
さらに、スピークバディでは、英語の発音を鍛えられる「発音トレーニング」のコンテンツも提供。正しい発音を身につけられる点は、嬉しいポイントといえるだろう。
料金は、月額3,300円(税込)。6か月、12か月分をまとめて契約すると、1か月あたりの料金が最大40%OFFになるプランも提供している。
初級から上級まで幅広いレベルに対応しているほか、各レッスンが5分以内で完結し、スキマ時間を使って勉強に取り組むことも可能。スピークバディは、スピーキングの練習に加え、発音の勉強もしたい人におすすめ。
英語のスピーキングを上達させる!おすすめの練習&勉強法 アウトプット編
次に、実際に口を動かして、スピーキングを練習する方法についてご紹介します。
発話練習
英語でコミュニケーションを取ろうと思っても、普段から英語を話していない場合、いきなりスムーズに英語を話すことはできません。まずは、英語を口に出す練習を行い、口を英語に慣れさせることが大切です。
その際、ただ英語を口に出すのではなく、英語の音声を活用し、「リピーティング」や「オーバーラッピング」「シャドーイング」といったトレーニングを行うのがおすすめ。口が英語に慣れてくるのはもちろん、リスニング力の強化にも効果があります。
また、こうしたトレーニングを通して英語に対する瞬発力を鍛えられるのも、チェックしておきたいポイントです。
Memo:リピーティング、オーバーラッピング、シャドーイングの違いは?
リピーティング、オーバーラッピング、シャドーイングには以下の違いがあります。
リピーティング | スクリプトは見ずに、ある程度の長さの英語音声を聞き、聞き終えた後で、聞こえてきた英語を発音するトレーニング |
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オーバーラッピング | スクリプトを見ながら、聞こえてくる音声と同時に英語を発音するトレーニング |
シャドーイング | スクリプトを見ずに、聞こえてきた英語を、2~3秒程遅れて発音するトレーニング |
溝口麻衣
トレーニングを行う際は、「リピーティング」→「オーバーラッピング」→「シャドーイング」の順に行うのがおすすめ。もし上手くできない場合は一つ前のトレーニングに戻り、一つ一つ、しっかりできるようにしていくことが大切です。
発話練習におすすめのサービス
ENGLISH COMPANY MOBILE (イングリッシュカンパニーモバイル) 公式サイトへ行く
料金(税込) |
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無料体験 | ― |
人気の英語コーチング「ENGLISH COMPANY(イングリッシュカンパニー)」や「STRAIL(ストレイル)」を運営する「スタディーハッカー」提供の英語学習サービス。
ENGLISH COMPANY MOBILE(イングリッシュカンパニーモバイル)の特徴は、
脳内で英文の意味を処理するスピードを上げ、英文を速く読めるようにするスタディーハッカー社オリジナルの「速読リーディング」と呼ばれるトレーニングをスマホから行える点。
この「速読リーディング」は、シャドーイングや、英文を意味の切れ目(チャンク)ごとに理解しながら読んでいく「チャンクリーディング」、チャンクごとの意味を瞬時に言えるようにする「サイトトランスレーション」などのトレーニングにも対応。リーディング力やリスニング力を伸ばすと共に、スピーキング力も鍛えることができる。
また、英語初心者から上級者まで、自分のレベルにあった教材でトレーニングに取り組める点も魅力。
料金は、利用できるサービス内容に応じて2つのプランがあり、月額21,780円(税込)の「フィードバックプラン」の場合、1日1回まで、英語学習のプロによるシャドーイングの添削が受けられる。
発話の練習を通して、リーディング力やリスニング力も強化したい人は要チェック!
スピーキングの練習
発話の練習を通して英語を話すことに慣れてきたら、実際に英語で会話を行うスピーキングの練習に取り組みましょう。
英語で会話を行い、スムーズにコミュニケーションを取るためには、自分の言いたいことをすぐに英語で伝えられる瞬発力が必要です。加えて、場数を踏み、英会話に慣れることも大切です。
ちなみに、スピーキングの練習をする際は、難しい英語を話す必要はありません。まずは、シンプルな英語を心がけ、自分の伝えたいことが、正確に相手に伝わるようにしましょう。
また、スピーキングの練習には、オンライン英会話や英会話教室を利用するのも方法ですが、いきなり外国人を相手にスピーキングの練習をすることに抵抗がある場合や、自分のペースでスピーキングの練習に取り組みたい場合は、アプリをはじめ、オンライン英会話や英会話教室以外のサービスを利用するのもおすすめです。
最近ではAIを活用したサービスも登場しており、人を相手にした場合と同じような感覚で、スピーキングの練習を行えます。
スピーキングの練習におすすめのサービス
トーキングマラソン 公式サイトへ行く
料金(税込) | 月額4,378円 |
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無料体験 | 2週間 |
「キクタン」や「1000時間ヒアリングマラソン」などの英会話教材で知られる「アルク」提供の英会話アプリ。
トーキングマラソンでは、提示された日本語に対して6秒以内に英語で発話するクイックレスポンス型のトレーニングを採用。さらに、表現のパターンを変えて繰り返しフレーズの練習を行うパターンプラクティスにも対応しており、会話のなかで、瞬時に英語を発想・発話する瞬発力を鍛えることができる。アウトプットを中心に英会話のトレーニングを行い、スピーキングの練習ができるのは、トーキングマラソンを利用する大きなメリット。
また、トレーニングに使用する会話シーンは、「キクタン英会話」に掲載されているフレーズのなかから、使用頻度の高い520個をベースに作成され、飽きずに取り組める点もチェックしておきたい。
料金は、月額4,378円(税込)。2週間の無料体験も用意している。
トーキングマラソンは、英語の瞬発力を鍛え、スピーキング力を伸ばしたい人におすすめ。
Speak(スピーク) 公式サイトへ行く
料金(税込) |
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無料体験 | 7日間 |
米国シリコンバレー発のスピーキングに特化した英会話アプリ。ChatGPTの開発で知られる「OpenAI」とパートナーシップを結んでおり、高いAI技術を活用したレッスンでスピーキング力を鍛えられると数ある英会話アプリのなかでも人気を集めている。
Speakでは最初の1週間で1,000単語以上を発話するトレーニングを提供。他の英会話アプリと比較して発話量が多く、しっかりとスピーキング力を鍛えられる。
また、AIを相手に会話を行うため、ミスや失敗を気にせずスピーキングの練習に取り組めるのも大きな魅力。
さらに、日本人の発音に最適化された音声認識機能を搭載しているほか、自分の話す英語に対して、AIがリアルタイムでフィードバックをくれる点もチェックしておきたい。
料金は、利用できるAIの精度に応じて2種類あり、月額1,800円(税込)から利用可能。1年分をまとめて契約すると1か月あたりの料金が割安になる年間プランも提供している。
発話量の多いトレーニングに取り組めるSpeakは、スピーキング力を鍛えたい人におすすめのアプリといえるだろう。
スマート・チューター 公式サイトへ行く
料金(税込) |
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無料体験 | 10日間 ※VR端末の無料レンタルあり |
スマート・チューターは、VRやAIを活用した教育コンテンツの企画・開発・販売を手掛ける「株式会社プラスワン」の英会話教材。プログラム満足度は94%と、利用者からの高い評価を獲得している。
スマート・チューターの特徴は、最新のVRとAIのテクノロジーを使い、スピーキングの練習ができる点。トレーニングには、VR端末(VRゴーグル)を使用し、仮想空間内でAIを相手にスピーキングの練習を行う。オフィスやプレゼン会場など、実際にその場にいるような感覚で英会話の練習ができるのは、スマート・チューターを利用する大きなメリット。
また、スキマ時間などを利用し、自分の都合に合わせてトレーニングを行えるのも嬉しい。
料金は月額19,800円(税込)から。トレーニングに使用するVR端末は、無料でレンタルできる。
VR端末のレンタルを含め、10日間の無料体験を提供しているので、VRやAIを使い、スピーキングの練習に取り組みたい人は、まず無料体験を利用してみると良いだろう。
まとめ
今回は、英語のスピーキングに注目し、スピーキング力を上達させるための練習や勉強法について解説しました。
スピーキングの練習や勉強というと、英語を話すことにフォーカスしがちですが、自分の伝えたいことを英語で正確に伝えるためには、文法や単語などの英語の基礎を身につけておくことも重要です。スピーキング力を鍛える際は、アウトプットだけではなくインプットも意識して、勉強に取り組みましょう。
英語のスピーキングを上達させたいと考えている方は、スピーキングの練習や勉強に取り組む際、本特集の内容も、ぜひ参考にしてみてください。