近年、大学入試に英語資格を活用する大学が増えています。
数ある英語資格のなかでも、多くの大学が入試に活用しているのが英検(実用英語技能検定)です。
このページでは、「大学受験と英検」と題し、英検の基本情報や大学受験に必要な英検の級、受験に英検を活用している主な大学、おすすめの勉強法などについて、わかりやすく解説します。
大学受験と英検
はじめに、英検の基本情報や、大学受験に活用する際に必要な英検の級、受験に英検を活用している主な大学などについて見ていきましょう。
英検(実用英語技能検定)の基本情報
受験料例(税込) |
※従来型/本会場の場合
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実施回数 |
年3回 ※上記とは別に、一次試験と二次試験を同日に実施する「英検S-CBT」も受験可能。 |
試験内容 |
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取得スコア・級の有効期限 |
生涯有効 ※ただし、大学受験に英検を活用している大学によっては、大学受験に有効な英検の取得期間を定めている場合があるので、注意が必要。 |
大学受検に必要な級 | 2級以上 |
公益財団法人「日本英語検定協会」が実施する英語資格。5級から1級まで7つのレベルに分かれている。3級以上は筆記試験(一次試験)に加えて面接試験(二次試験)があり、「リスニング」「スピーキング」「リーディング」「ライティング」の英語4技能を測定することが可能。
「2級」が高校卒業程度のレベルであり、大学受験に活用する際の一つの目安となっている。
Memo
「英検 S-CBT」とは?
英検には、一次試験(筆記試験)と二次試験(面接試験)を別日に行う「従来型」のものに加え、一次試験と二次試験を同日に受験できる「英検 S-CBT」と呼ばれるものがあります。
この「英検 S-CBT」は、合格すると「従来型」の英検と同じ資格を取得できるほか、「従来型」の英検と、試験の出題形式も難易度も同じ。
また、「従来型」が年3回の実施であるのに対し、「英検 S-CBT」は原則、毎週土曜・日曜に実施しているので、受験しやすいのも特徴です。さらに、「従来型」と比較して、各級とも500円安い料金で受験できるのも魅力。
ちなみに、「英検 S-CBT」では、ライティングの回答方式を「キーボードによるタイピング型」と、従来型の英検と同様の「解答用紙への手書きによる筆記型」から選択できるのも押さえておきたいポイントです。
「英検 S-CBT」の場合、同一検定回内(※例:4月~7月に実施される第1回検定)で同じ級を受験できるのが最大2回までとなっている点には注意が必要ですが、「従来型」の英検との併願にも対応しているので、上手く利用すれば、英検の受験機会を増やせます。
(※2021年度第2回検定期間(8月~11月)に限り、同一級を5回まで受験可能。)
大学受験に英検の活用を考えている方は、「英検 S-CBT」についても、併せてチェックしておきましょう。
《「従来型」と「英検 S-CBT」の違い》
従来型 | 英検 S-CBT | |
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実施級 | 5級~1級 | 3級、準2級、2級、準1級 |
受験料例(税込) |
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実施回数 | 年3回 |
原則毎週土曜・日曜 ※同一検定回内で同じ級を受験できるのは最大2回 |
試験日 | 2日 ※一次試験と二次試験を別日に実施 |
1日 ※一次試験と二次試験を同じ日に実施 |
大学受験と英検
大学受験に英検を活用する際、取得しておきたい級の目安は、「2級以上」といわれています。その理由は、2級が高校卒業程度のレベルのため。
実際、受験に英検を活用している大学の多くが、その基準を「英検2級以上」としています。(※一部、「英検準2級以上」「取得級を定めない」大学・学部あり)
英検を大学受験に活用する際は、英検2級以上の取得を目指すのがおすすめです。
《受験に英検を活用している主な大学》
一般選抜 |
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学校推薦型選抜 |
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総合選抜 |
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Memo
英検2級、「CEFR(セファール)」ではどのくらいのレベル?
英語のレベルを測る指標の一つに、「CEFR(セファール)」と呼ばれるものがあり、大学のなかには、受験に英語資格を活用する際、CEFRのレベルを基準とするところもあります。
CEFRとは、ヨーロッパ言語共通参照枠のことを指し、国際的な言語能力の運用指標を示すもの。
このCEFRにおいて、英検2級は、A2~B1レベル(英語初級~中級者)に該当します。
※ちなみに、英検準2級はA1~A2レベル(英語初級者)、英検準1級の場合は、CEFRにおいてB1~B2レベル(英語中級者)に該当します。
CEFRは、他の英語資格のスコア換算にも対応しており、汎用性の高い指標です。自分の取得している英検の級が、CEFRにおいてどのレベルに該当するのかも、把握しておくと良いでしょう。
英検の勉強法 - 「英検2級」編
次に本チャプターでは、大学受験に英検を活用する際、一つの目安とされている「英検2級」を例に、英検の勉強法をご紹介します。
英検2級の試験内容
一次試験 |
筆記試験(筆記:85分+リスニング:約25分)
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二次試験 |
面接試験(約7分)
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英検2級一次試験の勉強法
英検2級一次試験の対策をする際は、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
英検2級一次試験の勉強法 ポイントその1
問題の形式に慣れる・出題傾向を把握する
英検2級一次試験の対策をする際は、まず、問題の形式や出題傾向を押さえておくことが大切です。過去問集や予想問題集などを活用し、出題傾向を押さえつつ、問題の形式に慣れておきましょう。
英検の公式ホームページでは、過去1年分(3回分)の過去問および回答を掲載しており、PDFでダウンロードすることができます。リスニング問題の音声も聞けるので、英検2級を受験する際は、こちらも上手く活用するのがおすすめです。
- Check!
- 英検 公式ホームページ:2級の過去問・対策
英検2級一次試験の勉強法 ポイントその2
英検2級に必要な語彙・文法事項を頭に入れる
英検2級を取得するには、試験によく出題される語彙や文法事項をしっかり頭に入れておくのもポイントです。
語彙力を強化したい場合は、単語集の活用がおすすめ。文法事項に関しては、問題を解きながら苦手な部分を見つけ、その点を中心に、文法を強化しましょう。英検対策用の問題集や参考書のなかには、丁寧な解説が盛り込まれているものも多いので、しっかり解説を読み、内容を理解することも重要です。
英検2級一次試験の勉強法 ポイントその3
リーディング・ライティング・リスニングをバランスよく勉強する
英検2級の一次試験では、「リーディング」「ライティング」「リスニング」の3技能を測定します。
ちなみに、各技能によって問題数は異なりますが、配点は同じになっており、それぞれの技能でまんべんなく得点しないと、合格することはできません。
苦手な部分を重点的に勉強するのはもちろん大切ですが、苦手な部分の勉強のみになってしまわないよう、「リーディング」「ライティング」「リスニング」をバランスよく勉強することも意識しましょう。
英検2級二次試験の勉強法
英検の二次試験は、面接形式のスピーキングテストのため、一次試験とはまた別の対策が必要になります。英検2級の二次試験対策をする際は、以下のポイントを押さえつつ、勉強に取り組みましょう。
英検2級二次試験の勉強法 ポイントその1
試験の流れや内容を把握する
英検2級の二次試験には、「①入室→②面接官に面接カードを渡す→③面接官の指示に従って着席する…」など、入室してからスピーキングテストを行い、退室するまでの流れが決まっています。試験当日に慌ててしまうことがないよう、二次試験実施の流れは事前にしっかりと把握しておきましょう。
また、過去問集や予想問題集などを活用し、問題の形式や出題傾向を押さえておくことも重要です。
英検2級二次試験の勉強法 ポイントその2
英文の型・文章構成の型を頭に入れ、使いこなせるようにする
英検2級の二次試験では、パッセージの音読に加え、3枚のイラストの展開を説明する問題や、ある事柄について、自分の意見・考えを述べる問題などが出題されます。
問題に対して、スムーズに英語で答えられるようにするには、よく使う英文の型や文章構成の型を頭に入れ、その型を組み合わせたり、単語を入れ替えたりするのが有効です。英検2級対策用の問題集や参考書などから、実際の二次試験で使えそうな英文の型や、文章構成の型をピックアップして頭に入れ、使いこなせるようにしておきましょう。
英検2級二次試験の勉強法 ポイントその3
さまざまな事柄に対して、自分なりの意見・考えを持つ
英検の二次試験は、2級以上になると、「オンライン会議」や「環境にやさしい素材」など、社会性のある話題に対し、自分の意見や考えを英語で述べる問題が出題されます。
話題(テーマ)に対して、自分はどう思い、どう考えているのかをしっかりと伝えられるよう、日頃からさまざまなことに関心を向け、自分なりの意見や考えを持つことも、英検2級の二次試験対策を行ううえで大切なポイントです。
Check!
英検2級対策におすすめのオンライン英会話
英検2級対策のなかでも、面接形式のスピーキングテストを行う二次試験の対策は、練習や勉強が難しい部分。
実は、数あるオンライン英会話のなかには、英検用の教材を用意しているところがあり、英会話教室へ通わなくても、自宅にいながらにして、英検対策を行うことができます。
実際の人を相手にスピーキングテストの練習をしたい場合や、英検2級の合格に必要な英語力を身につけたい場合、英検対策ができるオンライン英会話を利用するのもおすすめです。
英検2級対策ができるオンライン英会話①
Kimini英会話 公式サイトへ行く
料金例(税込) |
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対応級 |
5級~2級 ※二次試験対策は3級~準1級に対応 |
英検対策教材 | 学研「英検をひとつひとつわかりやすく。」シリーズ |
無料体験 | 有り ※10日間 |
- キャンペーン情報
- 【12月2日まで】期間限定で対象プランの無料体験が通常10日間から30日間に増量!
教育事業や出版事業などで高い知名度を誇る学研グループのオンライン英会話。
Kimini英会話では、学研の人気書籍「英検をひとつひとつわかりやすく。」シリーズをもとにした英検対策のコースを提供(※5級~準1級まで対応)。各級の合格に必要な語彙や文法が学べるのはもちろん、学んだ内容を実際の会話に使用してレッスンを行うため、「話す・聞く・書く・読む」の英語4技能をバランスよく伸ばすことができる。さらに、Kimini英会話では、英検3級~準1級の二次試験を想定した模擬試験が受けられるレッスンも用意。一次試験と二次試験の両方の対策ができるのは、Kimini英会話を利用する大きなメリットといえるだろう。
料金プランは、1日に受講できるレッスン数やレッスンを受講できる時間帯に応じて、複数のプランを用意。ただ、英検対策に対応したレッスンは、月額7,480円(税込)で毎日1レッスンが受講できる「スタンダードPlusプラン」をはじめ、一部のプランでのみ受講することができる。
学研グループが運営していることに加え、英検対策用の教材・レッスンが充実しているKimini英会話は、オンライン英会話を利用して英検対策をしたい人におすすめ。
英検2級対策ができるオンライン英会話②
DMM英会話 公式サイトへ行く
料金例(税込) |
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対応級 | 5級~準1級 |
英検対策教材 | 旺文社「英検予想問題ドリル」 |
無料体験 | 有り ※25分のレッスン2回 |
- キャンペーン情報
- 【早期入会特典】人気の料金プランに無料登録日から7日以内に申込むと、初月料金が半額になるキャンペーンを実施中!
オンライン英会話最大手。インテージが実施した「オンライン英会話 サービス評価・満足度調査」(2021年)において、16部門で第1位を獲得し、数あるオンライン英会話のなかでも、高い人気を誇っている。
DMM英会話では、5級~準1級を対象に、旺文社「英検予想問題ドリル」を使用した英検対策のレッスンに対応。さらに、3級~準1級に関しては、「二次試験・面接完全予想問題」を使った二次試験対策にも対応し、演習問題を通して、英検の試験形式に慣れることができる。
ちなみに、英検対策のレッスンに対応した講師は、「講師の特徴」の項目で「英検®対応」を選択すれば検索可能。各講師のプロフィール欄には、ユーザーからの評価なども掲載されているので、講師を選ぶ際に参考にすると良いだろう。
料金プランは、受講できるレッスン数に応じて4種類あり、月額4,880円(税込)から受講可能。また、ネイティブ講師や日本人講師のレッスンを優先的に受けられる「プラスネイティブプラン」(※月額12,980円(税込)~)も用意している。
英検のスピーキング対策に加え、リーディングやリスニングの対策もできるので、英検対策にオンライン英会話を利用する際、DMM英会話はまずチェックしておきたい。
英検2級対策ができるオンライン英会話③
ネイティブキャンプ 公式サイトへ行く
料金例(税込) |
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対応級 | 3級~準1級 ※二次試験 |
英検対策教材 |
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無料体験 | 有り ※7日間 |
- キャンペーン情報
- 【12月31日まで】キャンペーン実施中!期間中にネイティブキャンプで無料トライアル終了後、プレミアムプランに移行すると、Amazonギフト券5,000円分をプレゼント!
回数制限なし・予約不要でレッスンを受講できるオンライン英会話。会員数150万人を超えているほか、オンライン英会話アプリダウンロード数では第1位(※2021年9月時点)を獲得し、数あるオンライン英会話のなかでも人気を集めている。
ネイティブキャンプでは、英検3級~準1級を対象に、旺文社「英検®二次試験・面接 完全予想問題」・オリジナルの英検®二次試験対策用教材を使用した英検対策用のレッスンを提供。旺文社「英検®二次試験・面接 完全予想問題」を使用したレッスンでは、はじめに、5~8分ほど模擬試験を実施し、残りの時間で、模擬試験の復習を行う。一方、ネイティブキャンプオリジナルの英検®二次試験対策用の教材を使用したレッスンは、「音読」「イラスト」「質疑応答」の3つのテスト形式から任意のものを選択でき、形式別に試験対策を行うことが可能。
特に、オンライン英会話を利用して、英検の二次試験対策をしたいと考えている人は、上手く活用すると良いだろう。
また、レッスン回数に制限がなく、好きなだけレッスンを受講できる点も魅力。月額7,480円(税込)とリーズナブルな料金を実現している点もチェックしておきたい。
まとめ
英検は、多くの大学が入試に活用している英語資格の一つ。
大学への進学を考えている方であれば、ぜひ取得しておきたい資格といえるでしょう。
最近では、「英検 S-CBT」と呼ばれる試験も登場し、年間で受験できる回数も多いので、その分、希望の級を取得できるチャンスも増えています。
ただ、1回の受験料は決して安くないため、英検を受験する際は、しっかりと対策をした上で、試験に臨むことが大切です。
英検取得を目指している方はもちろん、大学受験に英検を役立てたいと考えている方は、本特集を参考に英検の情報をチェックし、試験対策に役立てましょう。