近年、大学入試に英語資格(外部試験)を活用した「英語外部検定利用入試」を採用する大学が増えています。
英語資格には、「1年間のうちに複数回受験できる」「取得しているスコアや級によっては、大学受験の際、英語の試験が免除される」など、さまざまなメリットが。大学への進学を考えている方であれば、受験を有利に進めるためにも、英語資格はぜひ取得しておきたいものです。
そこで今回は、「大学受験と英語資格」に注目し、大学受験における英語資格取得のメリットを解説。さらに、大学受験に活用できるおすすめの英語資格についてもご紹介します。
英語資格を活用し、有利な条件で大学受験にチャレンジしたい方はもちろん、大学への進学を考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
Memo
大学入学共通テストと英語資格
これまで、2025年(2024年度)以降の「大学入学共通テスト(共通テスト)」の英語の試験に、民間の英語試験の導入が検討されていましたが、2021年7月30日、萩生田文部科学大臣は、地域格差(※試験ごとの会場数や受験料など)の解消や公正な採点体制の確保が難しい等の理由から、実施しない考えを示しました。
ただ、グローバル化が進む時代において、英語4技能の重要性は高く、大学の個別試験において、民間の英語試験の導入・活用は、今後も進んでいくと考えられます。
大学受験における英語資格のメリット
はじめに、大学受験において、英語資格を持つことのメリットをご紹介します。
大学受験における英語資格のメリット その1 得点換算に利用できる
「得点換算」とは、取得している英語資格のスコアや級を、大学が定めた基準に応じて点数化すること。大学によって異なりますが、換算された得点は、以下のような形で入試の際に反映されます。
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英語の試験の点数として扱われる
※共通テストや国公立大学2次試験、私立大学入試の英語の点数を満点とする(みなし満点)ケースも。また、入試の際、英語の試験も受験し、「得点換算」と「試験の点数」とで、点数の高い方を、英語の点数とする方法を採用している大学もある。 - 総合得点に加算される
英語資格を取得していることで、英語の試験で高得点が保証され、心理的にも安心して受験に望める点は、大学受験に英語資格を活用する際、まずチェックしておきたいメリットです。
大学受験における英語資格のメリット その2 英語試験が免除される
大学によっては、取得している英語資格のスコアや級が所定の基準を満たしていれば、英語試験の受験を免除されるケースがあります。入試の際、英語の試験を受けなくて済むのは、大きなメリットといえるでしょう。
大学受験における英語資格のメリット その3 出願資格を得られる
多くの大学では、推薦入試の出願条件として、所定の英語資格のスコアや級をあげています。また、一般入試でも、大学や学部によっては、所定の英語資格のスコアや級の取得を出願条件としているケースも。
英語資格を取得していることで、大学受験の出願資格が得られる点も、チェックしておきたいポイントです。
大学受験における英語資格のメリット その4 受験できるチャンスが多い
英検やTOEICなど、ほどんどの英語資格は年に複数回、試験を実施しています。つまり、1回の試験で思うような結果が得られなかった場合でも、次回、改めてチャレンジすることができるのです。
受験のチャンスが年に複数回ある点も、大学受験に英語資格を活用するメリットといえるでしょう。
大学受験における英語資格のメリット その5 他の教科の勉強に集中できる
「取得している英語資格のスコア・級が所定の基準を満たしており、英語試験が免除される」といったアドバンテージがある場合、その大学の英語の試験対策を行う必要はありません。つまり、英語の勉強時間を、他の教科の勉強に充てることができます。
英語資格を取得しておくことで、その分、受験の際に、他の教科の勉強に集中できるのも、押さえておきたいポイントです。
Column
大学受験に有効なのは、いつまでに取得した英語資格?
大学受験に英語資格を活用したいと考えている場合、いつの時点で取得したスコア・級が大学受験に有効なのか、気になる方もいるはずです。
大学によって異なりますが、多くの大学では、大学受験に有効な英語資格の取得時期を、「入試(あるいは出願時)から遡って2年以内」としています。そのため、時期の条件を満たしていない場合、期限内に英語資格を取得し直さなければなりません。
大学受験に英語資格を活用しようと考えている場合、志望校の有効な資格の取得時期について、事前に確認しておきましょう。
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Z会Asteriaは、大学受験や英語資格の取得に備え、英語4技能をバランスよく伸ばしたい学生におすすめ。
大学受験に活用できるおすすめの英語資格
それでは、大学受験に英語資格を活用する場合、どのような資格を持っていると有利なのでしょうか。本チャプターでは、大学受験に活用できるおすすめの英語資格についてご紹介します。
大学受験に活用できる英語資格の選び方
英検やTOEICなど、大学受験にはさまざまな英語資格が活用できます。
ただ、大学や学部、入試区分(一般選抜/学校推薦型選抜/総合選抜)などによって、受験に活用できる英語資格や、必要なスコア・級が異なる点には注意が必要です。
志望校が決まっている場合は、その大学の入試に有利な英語資格を取得するのがおすすめ。特に志望校が決まっていない場合は、多くの大学が入試に採用している英語資格を取得しておくと良いでしょう。
大学受験に活用できるおすすめの英語資格7選
大学受験では、主に以下の英語資格が活用されています。
大学受験に英語資格を役立てたいと考えている方は、各英語資格の特徴をチェックし、自分に必要な英語資格を見つけましょう。
大学受験に活用できるおすすめの英語資格
① 英検(実用英語技能検定)
公益財団法人「日本英語検定協会」が実施する英語資格。5級から1級まで、7つのレベルがある。3級以上は筆記試験(一次試験)に加え、面接試験(二次試験)があり、「リスニング」「スピーキング」「リーディング」「ライティング」の英語4技能を測定できる。2級が高校卒業程度のレベルとなっており、大学受験に活用する際の一つの目安。
最近では、これまでの英検と同じ出題形式・難易度を取りつつ、一次試験と二次試験を同日に実施する「英検S-CBT」を提供。1日で英語4技能すべてを測ることができる。
日本の高校生が学校で習う内容に沿って問題が作られていることもあり、入試に活用する大学も多いので、大学受験に英語資格を活用する際、まずチェックしておきたい。
《 英語資格の基本情報 》
測定できる英語技能 |
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受験料(税込) ※本会場の場合 |
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実施回数 |
年3回 ※上記とは別に、一次試験と二次試験を同日に実施する「英検S-CBT」も受験可能。 |
大学受験に必要なスコア目安 | 2級以上 |
主な大学 ※一般選抜 |
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② TOEIC(トーイック)
一般財団法人「国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)」が実施する、英語を母語としない人向けの英語コミュニケーション能力テスト。リスニング力とリーディング力を測る「L&R TEST」と、スピーキング力とライティング力を測る「S&W TEST」がある。
試験内容は、ビジネスの場を想定した問題が多く出題されるが、日本でメジャーな英語資格の一つであり、入試に活用する大学も多い。
一度取得したTOEICスコアに有効期限はないが、公式認定証の再発行ができるのは、取得から2年後まで。
《 英語資格の基本情報 》
測定できる英語技能 |
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受験料(税込) ※本会場の場合 |
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実施回数 |
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大学受験に必要なスコア目安 |
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主な大学 ※一般選抜 |
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- TOEIC対策におすすめのアプリ5選
③ GTEC(ジーテック)
ベネッセコーポレーションが実施する「リスニング」「スピーキング」「リーディング」「ライティング」の英語4技能を絶対評価で測定する英語資格。試験結果(スコア)は、言語能力の国際指標「CEFR(セファール)」に準拠している。
大学受験には、個人申し込みに対応した「GTEC CBT」と団体申し込みに対応した「GTEC」が活用される。ただし、大学・学部によっては受験の際、「GTEC CBT」のスコアのみ有効なケースもあるため注意が必要。
《 英語資格の基本情報 》
測定できる英語技能 |
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受験料(税込) ※本会場の場合 |
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実施回数 |
年3回 ※受験できるのは年2回まで |
大学受験に必要なスコア目安 |
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主な大学 ※一般選抜 |
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④ TOEFL iBT(トーフル)
アメリカのNPO団体「ETS」が運営する、英語を母語としない人向けの国際基準の英語能力測定試験。「リスニング」「スピーキング」「リーディング」「ライティング」の英語4技能を測ることができ、英語圏の大学等で、入学希望者の英語力を判断するために利用されるケースが多い。
文系・理系両方を含めたアカデミックな内容が出題されることが多く、英検やTOEICなど、他の英語資格と比較すると、難易度はやや高め。
特に、海外の大学への進学を検討している場合に押さえておきたい英語資格。
《 英語資格の基本情報 》
測定できる英語技能 |
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受験料(税込) ※本会場の場合 |
US$245 |
実施回数 | 年間45回以上(※主に土・日) |
大学受験に必要なスコア目安 | 40~70点以上 |
主な大学 ※一般選抜 |
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⑤ TEAP(ティープ)
上智大学と公益財団法人「日本英語検定協会」が共同で開発した英語4技能を測定するテスト。主に、「英語で資料や文献を読む」「英語で講義を受ける」「英語で意見を述べる」「英語で文章を書く」など、大学(※留学も含む)で学習・研究する際に必要とされるアカデミックな場面での英語運用力を測定する。
試験のレベルは、英検準2級~準1級程度。受験後には、今後の英語学習につながるフィードバックが記載された成績表が発行される。高校1年生から受験可能。
《 英語資格の基本情報 》
測定できる英語技能 |
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受験料(税込) ※本会場の場合 |
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実施回数 | 年3回 |
大学受験に必要なスコア目安 |
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主な大学 ※一般選抜 |
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⑥ IELTS(アイエルツ)※アカデミックモジュール
イギリスの公的国際交流機関「ブリティッシュ・カウンシル」、IDP:IELTSオーストラリア、ケンブリッジ大学英語検定機構が共同運営する英語資格試験。(※日本国内におけるIELTSの運営は、公益財団法人 日本英語検定協会が担当)
海外留学や海外での就職を希望する人向けの「アカデミック・モジュール」と、オーストラリアやカナダなど、英語圏の国への移住申請を希望する人向けの「ジェネラル・トレーニング・モジュール」の2種類があり、大学受験では、「アカデミック・モジュール」が採用されるケースが多い。
日本の大学を受験する際はもちろん、海外の大学への進学や、留学を考えている場合にも有効な英語資格の一つ。
《 英語資格の基本情報 》
測定できる英語技能 |
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受験料(税込) ※本会場の場合 |
25,380円 |
実施回数 | ほぼ毎週 |
大学受験に必要なスコア目安 | IELTS4.0以上 |
主な大学 ※一般選抜 |
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⑦ ケンブリッジ英語検定
イギリスの名門「ケンブリッジ大学」の一部門である非営利組織「ケンブリッジ大学英語検定機構」が開発・実施する英語検定試験。100年以上の歴史を持ち、「実生活のさまざまな場面において、英語をどのように使えるか」を適正に評価できる検定試験として高い評価を得ている。
レベルに応じて、「A2 Key」「B1 Preliminary」「B2 First」「C1 Advanced」「C2 Proficiency」の5種類があり、それぞれ、言語能力の国際指標「CEFR(セファール)」のレベルに対応している。
《 英語資格の基本情報 》
測定できる英語技能 |
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受験料(税込) |
9,000円~22,000円 ※試験の種類によって異なる |
実施回数 |
月1~2回程度 ※試験の種類・会場によって異なる |
大学受験に必要なスコア目安 | 120以上 |
主な大学 ※一般選抜 |
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対応資格 | 英検、TOEIC、TOEFL、TEAP、IELTS |
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料金例(税込) |
英検®コース(新宿)
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受講スタイル |
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おすすめポイント |
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英検やTOEIC、TOEFLなど、英語資格対策に実績のあるスクール。教室は、渋谷と新宿の2校のみだが、オンラインでの受講にも対応しており、日本全国から受講することができる。
ブラスト英語学院では、英語資格対策のコースとして、「英検®コース」「TEAPコース」「IELTS™コース」「TOEFL®コース」「TOEIC®コース」を提供。「英検®コース」「TEAPコース」はグループレッスンとプライベートレッスン(マンツーマンレッスン)から選択でき、「IELTS™コース」「TOEFL®コース」「TOEIC®コース」は、受講生のレベルに合わせたプライベートレッスンのみとなっている。対応している英語資格が多い点は、大学受験に英語資格を活用したい人にとって、嬉しいポイントといえるだろう。
さらに、資格対策コース以外にも、大学受験対策に特化したコース(※プライベートレッスン)を用意している。
また、英検®1級やTOEIC®990点などを保有し、各教育機関や大学などでの講師経験を持つ講師が在籍し、英語力アップにつながる質の高いレッスンが受けられるのも魅力。
無料相談を実施していることに加え、「入会金無料」「英文添削受け放題」「プライベートレッスン2回(※グループレッスン受講の場合)」といった入会特典も充実しているので、英語資格の取得に向け、英語力を伸ばしたい人であれば、ぜひチェックしておきたい。
まとめ
近年、入試に英語資格を活用する大学が増えています。
英語資格は、「リスニング」「スピーキング」「リーディング」「ライティング」の英語4技能を測れるものが多いほか、受験のチャンスも年に複数回あります。さらに、英語資格を持っていることで、大学受験のさまざまな場面で有利になるので、大学への進学を考えているのであれば、ぜひ、取得しておくのがおすすめです。
ただ、英語資格によって、受験料や試験時間、出題内容や難易度は異なります。また、大学によって、受験で有利になる英語資格も異なるため、受験に英語資格を活用する際は、自分に必要な英語資格(+その資格のスコアや級)を把握し、しっかりと対策をすることが大切です。
大学受験に英語資格を活用したいと考えている方は、本特集を参考に、自分に必要な英語資格を見つけ、入試に役立てましょう。